Kind's room

アニメの感想、考察など。

2017夏アニメ・エピソード10選

私が今期で視聴した全19作品229エピソード(※)の中から特に良かったと思うエピソードをランキング形式で発表していきます。


明確な選考基準はありませんが、純粋な面白さやインパクトの強さ、単純な好みなどを総合的に見たうえで独断と偏見で順位を付けました。


それでは早速10位からどうぞ。

(※)総集編及びショートアニメを除く。

 

 

10位   サクラクエスト 18話「ミルネヴァの杯」

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この作品に対する評価が世間的にも個人的にも高くなり始めたのはここからだと思います。衰退が進む間野山の限界集落を、助け合いの精神が生んだ吊灯篭などの「アナログな知恵」と、映像記録やSNS等をはじめとした「デジタル化」の共存でより根強い"コミュニティ"を形成したことで、衰退まっしぐらだった集落の未来を少しでも繋いだ展開がすごく綺麗に纏まってて見応えありました。今までの活性化や発展といった内容だけでなく"維持"や"保存"をしっかり描いてたのが特に好印象でした。教授の「人は楽しそうなところに集まってくる」という言葉も、その後のみずち祭りの話を象徴してるようで印象深かったです。教授が最後に死ぬ必要があったのかはちょっと謎ですが。

 

9位   ナイツ&マジック 9話「Force & Justice」

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OPに爆音SEが付き始めた回で、作品の面白さ自体がここから急加速したという意味でのランクイン。エル君の技術を盗み取ったジャロウデク王国が怒涛の勢いで侵攻を始め、ゆかり王国もといクシェペルカ王国の王都が陥落、ゆかり姫もといエレオノーラ姫が誘拐とAパートは作中最もシリアスな展開で見応えありました。そんなシリアスな雰囲気を吹き飛ばすエル君と斑鳩の圧倒的無双っぷりは本作の醍醐味である爽快感を味わえましたし、後にディー先輩のライバル的ポジションになる通称"剣だらけ"との初顔合わせもあったりと盛りだくさんの内容でした。この2人の熱血漢vs脳筋の構図がほんと好き。

 

8位   賭ケグルイ 7話「拒絶する女たち」

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本作の真骨頂である"狂気"が全面に現れたとにかくヤバいエピソード。この回では5枚のカードの並べ方を予想し、より多く的中させた方が相手との正解数の差だけ引き金を引くというロシアンルーレットが行われ、しかも銃に入ってるのが「実弾」というスリル満点の内容でした。妄はとにかくスリルを求める"変態"だったため、ワザと負けて夢子に撃たれるのが彼女にとっての「勝ち」だったのに対し、夢子はそれを察して自身の身を守りつつ妄のお遊びにも付き合わない「引き分け」に持ち込むという一歩も二歩も上手のギャンブル脳を見せつけたのが爽快でした。何より夢子の強さに惚れ込んだ妄が興奮のあまり身体の至るところから謎の液体を垂らすシーンでは爆笑しましたし、CVの伊瀬茉莉也さんの怪演にも圧倒されました。

 

7位   天使の3P! 6話「ベーシストを連れてくな!」

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まず5話の犯罪スレスレドスケベMV製作回と話を繋げてきたのは上手かったと思います。家族同然の3人が引き離されかけるシリアス展開でしたが、優しい人が集まるリトルウィングだからこそ部外者の響が希美たちを多少強引に説得する展開が理に敵ってて非常に良かったです。本作から溢れ出る"優しさ"が奏でたストーリーに素直に感涙でした。ここで根付いた「相手の気持ちを確かめた上で自分の気持ちをしっかり伝える」というポリシーがその後の展開にしっかり活かされてたのも良かったですね。こういう感動的ないい話もあれば頭のネジがぶっ飛んだような話もあって、そういう雰囲気の"緩急"がこの作品の魅力だったかもしれません。あと遊園地デートではしゃぐ貫井くるみちゃんも最高に可愛かったです。

 

6位   はじめてのギャル 4話「はじめての清楚ギャル」

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「表向きは才色兼備な優等生だけど実は清楚系の皮を被った腹黒ヤンデレ美少女」である香椎結衣さんのメイン回で本当に僕の"好きどころ"を的確に撃ち抜いてきたエピソードでした。『魔装学園H×H』原作者である久慈マサムネ先生の脚本回だけあってか「萌え」と「エロ」と「ギャグ」の配分が完璧でしたし、香椎さんのキャラを活かしつつ欲しいとこに欲しい展開がくる充足感も堪らなかったです。また主人公ジュンイチのいつにも増したキレッキレの妄想や、普段はおしとやかな香椎さんがジュンイチに振られて子供のように喚くシーンなんかも見どころでした。はじギャルを見てなかった人はせめてこの回と5話のcv.小倉唯ロリ巨乳幼なじみの回を視聴することをオススメします。

 

5位   プリンセス・プリンシパル 8話「case20 Ripper Dipper」

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数奇な運命を辿ったアンジェとプリンセスの10年に及ぶ物語がひたすら尊いエピソードでした。まず2話のチェンジリングの話がそのまま"伏線"と化してたのには驚かされましたし、入れ替わりというありがちな真相を決して陳腐なものにさせない"見せ方"がとにかく上手かった印象です。アンジェが10年に及んで自分の代わりにプリンセスに血の滲むような努力をさせて、なおかつ死に直結するような重圧を追わせてきたことに負い目を感じつつも、10年越しに再会した今それに対する感謝や敬意を込めて「プリンセス」呼びを続けているというエピソードがあまりに尊すぎました。ラストは幼少期と同じくピアノ連弾で締めたのも百合要素を扱った作品として素晴らしかったです。

 

4位   メイドインアビス 10話「毒と呪い」

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いつかこういう展開が来るだろうと身構えてはいたものの為す術なく"圧倒"されました。リコをタマウガチから守ってやれなかったレグからは"無力感"が、そして毒に侵食される前に腕を切断する決断を下したリコからは探窟家としての"覚悟"が存分に伝わっきたのがまず良かったです。そして何より上昇負荷の影響を受けたリコのシーンでは、包み隠さずありのまま描くグロ描写だったり、瀕死に近い状態の口から発せられる聞き取れるか聞き取れないかの瀬戸際の演技などが、異様に現実味を醸し出して見てる側も恐怖や苦痛を"追体験"させられましたし、改めてアニメーションの魅力を実感できるようなものすごい回でした。

 

3位   プリンセス・プリンシパル 6話「case18 Rouge Morgue」

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ドロシーの優しさや甘さに付け入る無慈悲な展開が大好きな本作を象徴するエピソードだったと思います。ロクでなしの父親でもなんやかんや助けてしまうなどドロシーの人間性を遺憾なく発揮しつつ、ベアトリスとの関係がスパイ仲間を超えた"友達"に発展するなど比較的小スケールかつほっこりな終盤までの展開がまず良かったです。そしてなんと言っても居酒屋での父を"迎える"はずの歌が"送り出す"歌に変わるというラストの落とし方が完璧でした。またこの回と同様に"親子愛"が描かれた前回の5話ではちせが自分の意思で父親を討ったことで決別の"涙"を流していたのに対し、6話のラストはドロシーが父親を殺されたとも知らずに最期まで帰りを"笑顔"で待っていたというこの対比も非常にエモかったですね。ベアトリスちゃんがドロシー父に喉をいじられるシーンも印象的でした。

 

2位   メイドインアビス 13話「挑む者たち」

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ナナチとミーティの壮絶な過去を一話尺でじっくり描いたことで別れの場面はこっちも感情移入してしまいボロッボロ泣きました。相棒のミーティを呪縛から解放してあげるため苦渋の選択をし、一旦は覚悟を決めたナナチが、レグが火葬砲を撃とうとした瞬間に止めに入るシーンが特に印象的で、ミーティにかけた最期の言葉が1回目の「付き合わせてごめんな」から2回目は「ありがとな」に変わってたところも感動しました。終盤から登場したキャラのエピソードにここまで感動できたのもストーリーの"見せ方"が上手かったからかもしれません。そして最期まで"憧れ"を捨てなかったミーティと、その"志"を受け継いで生死の境から抜け出したリコの話も前半で出てきた「アビス信仰」と繋がってて涙を誘いましたね。1時間のアドバンテージをしっかり活かしきった圧巻の最終回でした。

 

1位   僕のヒーローアカデミア30話「決着」

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ヒロアカが2クール連続でのエピソード部門第1位。2クール目前半の主人公といっても過言ではないステインは「ヒーロー殺し」として名を馳せていましたが単なる悪役ではなく、私欲にまみれた偽物のヒーローとイタズラに力を振り撒くヴィランのみが粛清対象で全て「正しき社会」のための行動という一貫した理念を持っており、そんな彼の歪みつつも真っ直ぐな"信念"と、気絶をも振り切る"執念"に不覚にも胸を打たれました。デク&轟&飯田の3人vsステインのバトルはジャンプアニメの醍醐味のような手に汗握る熱さで見入ってしまいましたし、ステインに兄を倒された飯田くんが結果的にステインによってヒーロー観を正される展開も皮肉効いてて良かったですね。この騒動の"余波"が先日決まった第3期のお話に繋がってくるという意味でも重要な回だったと思います。3期でもステインの出番あれば嬉しいですね。

 

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というわけで2017夏アニメエピソード部門第1位は僕のヒーローアカデミア第30話「決着」という結果に。
惜しくもランク外でしたが、
ゲーマーズ!4話「INTERMISSION 天道花憐とスランプ・デイズ」
メイドインアビス8話「生存訓練」
プリンセス・プリンシパル5話「case7 Bullet & Blade's Ballad」
バトルガール ハイスクール6話「れんげがくるみでくるみがれんげ」
セントールの悩み9話「世間で偉人って言われている人の苦悩って。/世間で偉人って言われている人の人生って。」
アクションヒロイン チアフルーツ1話「いきなり超天界!」
あたりも好きでした。