Kind's room

アニメの感想、考察など。

2019春アニメ・感想

本当は以前みたいに格付け形式で総括記事を書きたかったが、2019春の視聴本数はショートアニメ含めて「8」と少なかったため、今回は感想まとめという形で書いていく。ちなみに平成最後に滑り込んだ『メルヘン・メドヘン』に関してはもう面倒臭いので書きマッヘン。

 

 

ひとりぼっちの〇〇生活

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今期は見ていたアニメが少なかったため相対的な評価はあまりできないが、いくつ見てようが最終的にこの作品が金賞になっていたとは思う。カツヲ先生の前作である『三ツ星カラーズ』は少しの毒っ気が含まれたコメディだったのに対し、こちらは優しさと温かさにフォーカスされた作風だった印象。

本作に一番好感持てたポイントとしては、「ぼっち」に対して真摯だったこと。いわゆる「ぼっち」を題材にした作品は多々あれど、それを単なるキャラ付けに留めず、その生態や特徴を忠実に描いていた点が特に優れていた。そのため「いかに一里ぼっちから“ぼっち”気質を見いだすか」という視点で見るのもまた一興だった。

ストーリーに関しても、ぼっちの不器用ながらも一話一話着実に成長を重ねる姿に心打たれたし、ぼっちの成長の第一歩を見届けた張本人のなこ、困ったときには颯爽と現れて応援してくれたアル、弟子として友達としてずっとそばに居続けたソトカという3人の存在により、ぼっちの成長譚には圧倒的な安心感が生まれていた。そして最終回の「なこちゃんが追いかけてきてくれたから」の後のシーンからは年甲斐もなく泣いてしまった。

「クラス全員と友達になる」という高い目標を見据えて自発的に行動し、1年間で6人という成果をあげたぼっちに感動したと同時に、大学入学して3年目を迎えてもぼっちを継続し、何の成果もあげられていない自分は一体何をやっているんだと思わされるアニメだった。

 

 

ぼくたちは勉強ができない

今期の「勉強ができない枠」その①。毎回偏差値高そうなサブタイトルから繰り出す偏差値低めのラッキースケベが眼福で、ヒロインも総じて可愛かったしラブコメとして安心かつ安定して楽しめた。

特に文乃が理珠とうるかの気持ちに気づいた6話からはストーリーの見応えが増し、真冬先生が本格参戦した7話からは一気にギアを上げてきた印象。さすが人気投票ぶっちぎりの二連覇だけあって、真冬先生はこの作品の全てを掻っ攫っていきそうな破壊力がある。

全体的に見れば、ランジェリー回ような萌えに対するラッキースケベの供給過多の回もあれば、8話や12話のような武元うるか回特有の緊張感ある青春ドラマも面白く、ラブとコメのメリハリがいい塩梅で効いていたと思う。

ところでアニメ終了後から原作を読み始めているのだが、理珠がキスの意義について悩む割と重要そうな回がまるまるカットされてて驚いた。理珠の不遇と、アニメ最終話の文乃の優遇から察するに、分割2クール目は文乃の独壇場になりそうな予感。

 

八月のシンデレラナイン

個人的に野球がそれほど好きではないので、当初は楽しめるかどうか不安なところもあったが、やはり青春×友情×スポ根というのはオタク心を揺さぶるものがあった。

終始ど直球ストレートで描かれた青春模様には爽快な気分を得られ、人数が増えても各々の成長を垣間見せるポイントをしっかり用意していたところも良かった。スポーツ系アニメで作画が良くないというのは割と致命的ではあったものの、最後の清城戦は限られた作画リソースでも上手いこと試合を成立させていた印象。宇喜多ちゃんのフェンス際キャッチには感動した。

 

ワンパンマン 第2期

 2期も安定して面白かったのは間違いない。のだが、1期の頃と比べると全体的に物足りなさを感じた。戦闘シーンの迫力もそうだが、サイタマの活躍(というか登場する回数)も少なく、ストーリーもゆったり進んでいたせいか展開の派手さも欠けたように思う。ただ、その鬱憤まで晴らしてくれるような最終回のムカデ長老に対するワンパンは爽快極まりなかった。そうそうこれが見たかったんだよ。

今回の2期では主に怪人協会による多発テロとスーパーファイトが同時進行で描かれた。前者はヒーローたちの改めての紹介に割かれ、後者はシンプルに見応えに欠けたため、結局一番ワクワクして見ていたのはガロウ登場シーンだった。『ヒロアカ』といい『いぬやしき』といい悪役が最終的に一番カッコよく思えてしまうのは、ヒーローものを見るうえでの一つの醍醐味なのかもしれない。続きが気になる終わり方だったので3期も期待。

 

みだらな青ちゃんは勉強ができない

 今期の「勉強ができない枠」その②。アニメ化にあたって原作の『淫らな』をコンプライアンス的な理由で表記変更したあたりに『庶民サンプル』『しょびっち』の系譜をひしひしと感じた。本編は下ネタばかりの最低なエロアニメかと思わせて、うぶな男女の初々しい恋愛模様が楽しめる最高品質の萌えラブコメだった。

メインヒロインである堀江青ちゃんに関して言えば、大島美和さんキャラデザだけあってビジュアルの可愛さは最強だし、常に卑猥な妄想をしていたり些細なことで一喜一憂したりと、少しえっちですごく乙女な内面もまた魅力的だった。

 

川柳少女

 メインヒロインが川柳でしかコミュニケーションを取れないという奇抜な設定で繰り広げられるラブコメが新鮮で面白かった。これ以上長くても中だるみしそうで、これ以上短くてもヒロインの魅力を潰しそうな作風だったため「12分」という尺が本当にちょうど良かった。

七七子とエイジのラブコメとしてはもちろん日常系としても優秀で、この尺のアニメでは珍しいほどメインヒロイン以外のキャラの質が高かったのも印象的。何気に部長の切れ味鋭いツッコミが、全体的にゆるふわな本作をコメディとして成立させていたと言っても過言ではない。

 

なんでここに先生が!?

今期の流行語と言っても差し支えない「なんでここに先生が~!?」を生み出した、女性教師×男子生徒による背徳感溢れるラブコメ。まるでピタゴラスイッチかのような連鎖的に発生する芸術的なラッキースケベや、何もないところから生み出す能力に長けているラッキースケベ、そしてこの世で起こりうるありとあらゆる可能性を網羅する勢いで放たれるラッキースケベなどが特に良かった。

 ヒロインは一応4人だけど『ぼく勉』の真冬先生も「なんでここに先生が~!?」なシチュエーションを連発していたので実質5人。

 

ノブナガ先生の幼な妻

 まず「チームおくさま劇場」が生きていたことに感動した。規制が入りそうなシーンで唐突に現れ、該当シーンが終わるまでの「つなぎ」の役割を果たす寸劇がまた見れる日が来るとは。いや要らないんだけどな。そして本作が画期的だったのは、都合よく差し込む従来の謎の光ではなく「身体そのものを発光させる」という規制方法を打ち出したこと。ほんとここのスタッフは遊び心あって好き。

本編は帰蝶と吉乃が可愛かったしそれぐらいしか見どころがなかったけど、最後に出てきたホモはなかなか良かった。正直一番興奮した。

 

 

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 恐らくここ数年で最も「放送されていた本数」自体が少なかったであろう2019春クールだが、終わってみれば自分の見ていたラインナップは良作揃いだったし、視聴本数が少なかった分だけ過去の作品を見返す余裕も生まれたりと、ゼミやら就活やらに追われている自分にとっては有難いクールだった。

 夏アニメからまた本数が増え、良作も多くなりそうで嬉しく思うと同時に、過去作を追う余裕がなくなることを惜しくも思う今日この頃。それ以前に個人的に一番不安なのは、就活が本格化してアニメ見る気力自体が削がれそうなこと。どう考えても、収入でも福利厚生でも将来設計でも社会貢献性でもなく、アニメを見る時間と精神的な余裕が確保されていることを最優先に就活やっていきたい......

 

 

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