Kind's room

アニメの感想、考察など。

『18if』9話は歴代のクソアニメさえ"過去"にする

今期アニメも終盤に差し掛かり始めて他の作品が盛り上がりを見せるなか、此の期に及んでクソアニメ街道を突っ走る前衛的な作品があります。
そうです18ifです。

 

以前書いたこの記事では作品の世界観や設定及び第4話と第5話のストーリー解説をしました。そして今回は最新話である第9話について需要もクソもない話をしていきたいと思います。

本題に入る前に改めて世界観の説明を。現実世界で悩みを抱えた女性は「魔女」と呼ばれ、現実を拒絶し、夢に逃げた結果、いつまでも夢から目を醒ますことができない「眠り姫病」にかかってしまいます。そんな眠り姫病にかかった魔女の夢の中にどうやってか潜入し、魔女の悩みをスパッと解決して目を醒まさせ、ついでに惚れさせるというのが本作の主人公・月城遥人の役目です。

第4話以降ストーリーが暴走を続けていた『18if』でしたが、前回の第8話は聴覚障害をテーマにした極めてマトモな内容で見応えがありました。このまま終盤にかけて正統派路線に移行するかと思いきや、今回の第9話に過去最高のクソ回を配置してきたので改めてこの作品に対する信頼度が高くなりましたね。
それでは第9話のストーリー解説を始めていきます。
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 第9話「アイドルはトイレにいかない!」

 

今回の主人公はアイドルグループ『シャーク・レディ』のセンターを務める美咲(cv.新田恵海)。人気絶頂中の彼女ですが週刊誌に根も葉もない事実無根のスキャンダル記事が掲載されてしまい、それを理由としたメンバーからのいじめやプロデューサーからのセクハラに苦しめられていました。

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ちなみに当の週刊誌の表紙ですが「2世タレントの不祥事」「文科省元局長の華麗なる天下り計画」などいろいろ危険なネタが仕込まれてるのも面白いですね。

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それはさておき、美咲は主演ドラマのプロデューサー達と打ち合わせを兼ねた食事へ。そんな中、突然刃物を持った男が美咲の前に現れます。男は美咲の大ファンでしたが、週刊誌の記事を真に受けて美咲に逆恨みし、「このクソビ◯チが!よくも俺の気持ちを踏みにじりやがったな!」と怒鳴りつけながら美咲に近づきます。周りにいた男性たちが庇うこともなく、美咲は無情にも6回めった刺しにされてしまいます。そして美咲は意識が落ち、深い眠りの中へ。ここまでがアバンです。

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OPが明けると、そこにはレオタード姿になった『シャーク・レディ』の他のメンバーや女体化された男性プロデューサーたちが。早くも意味が分からない上に絵面が気持ち悪いですが、実はこれは美咲の夢世界。どうやら現実世界でファンに刺された美咲はそのまま「眠り姫病」に陥ってしまったようで、その昏睡状態の夢の中で作り上げた世界がこの夢世界です。美咲の夢世界に現実世界から意識だけ連れて来られたのが彼女たちになります。

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そしてこのSM嬢のような格好をした金髪の女性こそ夢世界での美咲の姿、つまり魔女の美咲です。ちなみに現実世界と夢世界は一応リンクしており、美咲の夢世界に意識だけ連れて来られた女性陣(及び一部女体化された男性陣)も現実世界で眠っている間は美咲と同じ夢と記憶を共有しています。

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なぜ彼女たちがこのような服装をしているのかというと、ここは「ナイトメア アイドルスクール」と呼ばれる架空のアイドル養成学校。魔女美咲が鬼教官となりレオタード姿の女性陣に「真のアイドル」になるための地獄の訓練を化すのが目的だそう。

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当然こんな理不尽な訓練が他のメンバーたちに受け入れられる訳もなく『シャーク・レディ』のメンバーの一人が美咲に歯向います。しかし美咲は彼女が毎晩プロデューサーの変態趣味に付き合っている変態女だということを知っており、それを盾に従わせようとします。今回のエピソードはマジでろくな奴が登場しません。
そしてここから美咲の暴走がスタート。現実世界で自分を苛めてきた彼女に対する復讐なのか「お前なんかう◯こに集るただのハエよ!いいえ、う◯こそのものだわ。そうよ、お前なんかう◯こになってしまえ!」とアイドルらしからぬ暴言を吐きます。えみつん完全に吹っ切れましたね。

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するとあら不思議。美咲に「うんこになってしまえ!」と言われた彼女は変身バンクを経てマジでう◯こになってしまいました。これではクソアニメどころか糞アニメです。

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文字通りクソみたいな展開になってきましたがここから更にエスカレート。このレッスンには美咲のマネージャーも強制参加させられていますが、体型的にも年齢的にも厳しく練習についていけません。そんな中美咲は突然クイズを出します。内容は「インカ帝国の初代皇帝」。答えはみんな大好きマンコ・カパックですが、マネージャーは美咲の身体を張ったヒントでも答えられず。

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すると美咲はマネージャーの股間部分を燃やして「この広い世界には今のアンタみたいな状態の地名があるそうよ」と渾身のギャグを披露。ちなみにその地名はロシアのモスクワにあるヤキマンコ。う◯この次は小学生レベルの下ネタに走り始めました。

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まだ暴走は続きます。厳しいレッスンの中彼女たちは一度もトイレにいけずいよいよ限界。そんな中『シャーク・レディ』の一人がトイレに行きたいと懇願。しかし美咲は「一流のアイドルがトイレに行くわけないでしょ」という超理論でそれを跳ね除けます。

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それでも我慢できない彼女に対し美咲は「あなたも焼きま◯こになりたいのかしら?」と先ほどの下ネタを活かしつつ彼女の股間に刺激を与えます。そして彼女はとうとう失禁。早くも今期アニメ史上最悪の展開になってきました。

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しかしこんなアホらしいレッスンを一人真面目にこなす少女がいました。彼女の名前はナナ(cv.広橋涼)。春アニメの『つぐもも』でもそうでしたが最近意外なところで広橋さんの声をお聴きしますね。

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場面はアイドル養成学校を飛び出し砂浜でのトレーニングへ。過酷なランニングで疲れ果てたナナは口からレインボーな液体を吐き出します。「う◯こ→焼きま◯こ→おしっこ→ゲロ」という考えられる上で最悪の流れが完成しました。

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そしてランニングのペースが遅い奴を見つけるやいなや美咲は再び下ネタクイズ大会を敢行。内容は「ナイジェリア東部タラバ州の民族」。ちなみに答えはマンビラ族ですが、今回は問題を出しただけで特に何も起こりません。もはや何のために問題を出すのかという理由付けすらなくなってきました。

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 この日のトレーニングも終盤。ここでナナは美咲の恋もしない、トイレも行かない無敵のアイドルを体現した姿勢に憧れていることを告白。しかし美咲は「いまや落ちた偶像よ。テレビでも週刊誌でも叩かれてネットでは大炎上。メンバーやスタッフからの信用すらも...」とネガティブな発言をします。美咲(cv.新田恵海)の配役に何か意味が込められているような気がしてきました。

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しかしナナは「美咲さんは永遠のアイドルです!みんなが憧れる国民的スターです!」とキラキラした眼差しで言います。何の穢れも知らなさそうなナナに美咲は「アイドルたちの真実が分かる」と言って『プロ野球大毎オリオンズにいたフランク・マニーの本名』を調べておくよう促します。ちなみにマニーの本名は野球ファンならご存じマンコビッチ。もういい加減にしろ。

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レッスンを重ねるうちに彼女たちはみるみる成長を遂げ、鬼教官だった美咲も「最高のチーム」と称賛するまでになりました。ここで流れてた挿入歌が無駄にいい曲なのが少し腹立ちます。

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そんな中物語は急展開へ。ナナの元に「何してるの?お兄ちゃん」と言いながら寄ってくる謎の美少女が。実はこの娘は主人公・遥人にしか見ることのできない正体不明の謎の少女かつこの作品のマスコット的キャラクターリリィ(cv.名塚佳織)。つまりナナの正体こそ美咲の夢世界に潜入していた遥人(女体化ver.)だったのです。これまでの衝撃の展開の数々に掻き消されて主人公の存在をすっかり忘れていました。

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遥人はそもそも『シャーク・レディ』と美咲の大ファンであり、美咲と一緒にいられる時間に純粋に喜びを感じていました。さらに美咲に罵倒されたりお仕置きされることで悦びも感じていました。
そんな変態女もとい変態男である遥人に呆れたリリィは制裁を与えるため、遥人の身体を男に戻します。すると遥人の遥人が復活どころか膨張していきました。男の勃起描写を描いたのは恐らく『セイレン』以来でしょうか。

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ナナが遥人なったため声も広橋涼さんからいつもの島崎信長さんにチェンジ。男子禁制の「ナイトメア アイドルスクール」に男がいることはギルティ。遥人は捕まえられて拘束されます。

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大の男嫌いの美咲は遥人の遥人を見るのさえ抵抗があるため、他のメンバーにお仕置きを命じます。まずは女体化した男性陣が遥人に対し玩具を使って弄り倒すという絵面的に最悪のシチュエーションが始まります。完全に監督の趣味でしょ。

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続いては女性陣のターン。拘束して身動きが取れない遥人の身体をいやらしく触ったり耳元でいやらしく囁いたりして遥人の遥人を再び隆起させます。だから完全に監督の趣味でしょ。

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そんな変態プレイの数々を見兼ねた美咲は止めるよう促します。ここでメンバーたちは「教官であるあなたの技が見てみたいわ」と最後のお仕置きを美咲に託します。男慣れしていない美咲は、いつの間にかメンバーたちと形勢逆転。

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遥人の遥人を目の前にした美咲は「出来ない...こんな男性の...」と言って泣き出してしまいます。他のメンバーが男性のナニかと問うと「知ってるくせに...サントメ・プリンシペ共和国の保健衛生大臣の名前くらい...」とお得意のクイズで対抗。意味が分からず呆然とするメンバーをよそに美咲は逃げ出してしまいます。ちなみにクイズの正解はメガチンポ大臣。もう怒られちまえ。

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しかし遥人は股間部分からモンスターを召喚し、謎の白いネバネバした粘液を放出して他のメンバーたちをやっつけて脱出します。今までの話数には無かった超展開に視聴者もそろそろ動揺を隠せません。

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そして遥人は逃げ出した美咲の元へ。脱出の経緯を聞いて驚く美咲に遥人は「ここは夢の中だぜ?なんでもありさとドヤ顔で言い放ちます。9話目にしてついに言いやがったなお前。

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ここで美咲の自分語りが始まります。何でもありの夢世界で他のメンバーやプロデューサー達など今までに傷つけて来た連中に仕返しをするはずが、結局負けて逃げ出してしまった美咲。現実世界では「無敵のアイドル」として活躍して来ましたが、実際は当然トイレにも行くし恋もしたい一人の女の子。ファンや他のメンバーのために自分を押さえ付けて我慢してきたアイドル人生に限界を感じていました。にしても絵面が酷い。

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しかし遥人は他の人のために我慢してきたという美咲に「それは違うんじゃないかな?自分の夢のためだろ?」と投げかけます。この台詞がどうやら核心を突いたようで美咲は何かに気付かされ、そしてこの作品ではおなじみ強引に良い話っぽく締められるエモめのBGMが流れ出します。

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続けて遥人は「夢があるからこそ人は強くなれる。自分が何者になりたいという強い思いがあるからこそ一途な気持ちになれるんじゃないかな」などとそれっぽい適当なことをぬかして美咲を励まします。遥人の純粋な眼差しに子供の頃の「自分の歌や踊りで世界中の人を元気にしたい」という夢が呼び起こされた美咲は、心機一転新たな形で頑張ることを決意。遥人に救われた美咲は「眠り姫病」を克服して現実世界へ戻ります。いいシーンなのになんで最後まで勃起してんだお前。

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場面は現実世界での『シャーク・レディ』のライブシーンに。美咲は他のメンバーたちとも和解してスッキリした表情に。そして美咲はファンの前でアイドル卒業を発表。「私は恋を知りました」とファンの前で堂々と宣言したため罵詈雑言を言われつつも、子供の頃の純粋な思いを胸に美咲は新たに一人の歌手として、そして女として夢を追いかけて行きました......(完)

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今回の話を要約すると、人気アイドルグループ『シャーク・レディ』の美咲が、ある日スキャンダルを理由にファンに刺されたのをきっかけに「眠り姫病」に陥り、その夢世界の中で鬼教官となり理想のアイドルグループを養成するも、夢世界で出会った遥人に自分が本来描いてた「夢」を思い起こされて、その「夢」を胸に現実世界でアイドルを卒業して一人の歌手として、そして女性として第2の人生を歩き始めた、という感じです。

 

 

しかし今回の内容にはツッコミポイントが4つほどあります。どうか最後までお付き合いください。

まずは1つ目。正直どうでもいいんですが最初の方にあったクソもとい糞シーンです。美咲に「う◯こになってしまえ!」と言われた女の子は変身バンクを経て文字通りう◯こにされてしまいましたが、その後いつの間にか人間の姿に復活して普通にアイドル活動を送っていました。実は彼女の他にもう◯こにされたメンバーが4人ほどいました。その4人はトイレで練習をサボってるところを美咲に発見され、そして変身バンクを経てう◯こにされた後トイレに流されるという衝撃的な内容だったのですが、次のカットでは普通に人間の姿に復活していました。どういう経緯で復活したのか気になるところではありますが、遥人の「ここは夢の中だぜ?なんでもありさという台詞を前にすればこの指摘もアホらしくなりますね。

 

そして2つ目。なぜ現実世界では清純派アイドルである美咲が夢世界ではここまでお下劣なキャラに成り下がってしまったのか。そもそも美咲は本当に大の男嫌いで、当然スキャンダルの記事もでっち上げられたモノでした。恐らく美咲はその男嫌いを拗らせすぎたあまり性癖が歪んでしまい、ストレスによる憎悪の感情も入り混じった結果、今まで我慢してきたものが爆発してあのような現実世界とは真逆のキャラ形成に繋がったものだと考えられます。なぜ毎回小学生レベルの下ネタをチョイスしたのかは......監督の趣味でしょ

 

そして3つ目。これは恐らく視聴者が一番気になったとこだと思います。最初の方でファンに6回もめった刺しにされた美咲ですが、意識が落ちたときに同時に発症した「眠り姫病」(夢世界)を経て、現実世界に戻ってきた時には何事もなかったかのようにピンピンしており普通にライブをこなしていました。死んでてもおかしくないような刺され方をしてなぜピンピンしてるのか気になるところですが、推測できるのは以下の5つのパターンかと。
①傷が軽傷で目覚めてすぐ復活できた説
②最後のライブシーンも夢世界の続き説
③そもそも刺される前から夢世界だった説
④そもそも刺された時点で死んでいた説
⑤ここは夢の中だぜ?なんでもありさ
が現実的に考えると有力ですがそれでは単純すぎて面白くないですね。
だとすると美咲は実は救われておらず夢世界に取り残されたままということになりますが、最後のライブシーンでの美咲が夢世界の姿(SM嬢)でなく現実世界の姿(アイドル)に戻っているためこの説は確率が低いです。
も同じく美咲の姿がアイドルであったため確率は低いと思います。
に関しては、そもそも「眠り姫病」を発症して初めて夢世界が生まれる設定なので、仮に死んでたとすると今まで見せられてきたものは一体何だったんだという話になるので止めときましょう。
ですが、この作品は各話監督交代制で毎回好き放題やるスタイルを取っており、その分ストーリーや設定に整合性が取れてない部分があるため、設定が新たに生まれたり消えたりしても不思議ではありません。実際これまでの回もそうでした。なので結論としては「これは18ifだぜ?なんでもありさ

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※9月12日追記

⑥刺されたのは美咲でなく男性プロデューサーのうちの一人だった説

の説は他の方がツイッターで言ってたのを見かけて目から鱗でした。そもそも美咲はあのとき悲鳴をあげただけで実際に刺された描写は描かれてないため、ここでは男性プロデューサーが刺されたと仮定します。そして思い出して欲しいのが夢世界で女体化されたこのおっさん幼女。

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この幼女の現実世界の姿は美咲にセクハラをしていた犬吠埼という名前の男性。男性プロデューサーの中でなぜか一人だけ名前がありましたし、加えて他の男性陣が夢世界で身体だけ女性になったのに対し、犬吠埼だけは声以外全て女性そのものへ変貌を遂げるなど他の男性陣との差別化が徹底されていました。

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極め付けはこの不自然に一人だけ生えていた「天使の羽根」。これが既に犬吠埼が死んでいたことを意味するとなると美咲が現実世界でピンピンしていたのも全て辻褄が合います。もし犬吠埼が美咲を庇って死んだならば、夢世界の美咲はせめてもの報いとして犬吠埼を可愛い幼女姿に変貌させてあげたのでしょうか。にしても意外と設定が練られていたことに感心してしまいました。見直したぞ18if

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最後に4つ目。根も葉もない事実無根のスキャンダル記事を書かれたアイドルである美咲の配役に新田恵海さんを起用した点ですが、これはとても偶然とは思えないですよね。境遇があまりにも似ているというのはありますが、美咲が劇中で言った台詞を抜き出してみても「いまや落ちた偶像よ。テレビでも週刊誌でも叩かれてネットでは大炎上」「今まで私を傷つけてきた連中に仕返ししてやろうと思ったのに結局負けて逃げ出しちゃった」などとメタファーともとれる台詞も多かった印象です。しかし美咲はスキャンダルを完全に振り払い、心機一転して新たな道を歩き始めました。今回の新田さんの演技も全体を通して何か「吹っ切れたモノ」を感じられて非常に素晴らしかったと思います。個人的には例の騒動は全部デマだと信じてるので、美咲の「もう一度頑張ってみようかな」という台詞同様にまた活躍して欲しいですね。応援してます。

 

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今回も長くなってしまいましたが、第9話はアイドル業界の生臭い裏事情に加えて、小学生レベルの下ネタクイズ大会、極め付けはう◯こに焼きま◯こにおしっこにゲロに勃起というアニメ史に残る最低最悪な絵面が展開されるなど見ていて終始とてもいい気分じゃありませんでしたが、こういう挑戦的で恐れを知らない『18if』という作品の魅力が顕著に現れた回だったと思います。なんやかんや毎回楽しませてくれるエンターテイメント性やポテンシャルは充分だと思うのでもっと話題になってもいいと思うんですけどね。まぁこんなクソアニメ誰にも勧められませんが......