Kind's room

アニメの感想、考察など。

2019夏アニメ・感想

2019夏クールに見ていたアニメの感想をつらつらと。今期も前期と同じく「8」本に留まったが、別に不作とかじゃなくて自分の心の余裕的な問題である。アニメを毎クール20本近く見て逐一感想も書いてヒロイン10選とかエピソード10選とかやってた1年半前までの無限のアニメンタリティ(アニメを見るための心理状態)は何処へ、、、

 

(※)以下、順不同。

 

『女子高生の無駄づかい』

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今期一番好きだった作品。やはりこういう肩の力を抜いて笑って楽しめるアニメが人生には必要。個人的には1話の「おもしれー女」から既にハートを掴まれていた。ギャグ良しキャラクター良し百合良しと何をやらせても優秀だったが、「夢」や「友情」にフォーカスした真面目な回もあり、女子高生を無駄づかいどころか有効活用した青春模様が特に良かった。ロリとマジメのファッション回やヲタの腐女子生態など、作者が女性だからこそ出せる魅力も随所に見られた。

本作で特筆すべきは、やはり面白かわいいキャラクター達だろう。個人的な推しはマジョとヤマイとロボ。マジョはコミュ障ぼっち不登校キャラという愛おしさのバーゲンセールみたいな設定に加えてcv. M・A・Oの萌え系ボイスだったから鬼に金棒。ヤマイは一人で奇行やってても誰かと絡ませても常に面白かったし「ラストクラッパー」「ヤマイラップ」等の印象的なシーンも多い。ロボは終盤にかけてその魅力が徐々に解き放たれていき、最終話ラストの笑顔の破壊力でやられた。

 

『まちカドまぞく』

『アニマエール!』以来半年ぶりのきららアニメとなった本作。序盤はシャドウミストレス優子ちゃんをひたすら愛でる感じの楽しみ方でそれも良かったのだが、千代田桃との関係性が進展していくたびにストーリーの見応えも増していったように思う。終盤は、今までの2人のコミカルな「宿敵」が文字通りの関係になり、日常系のゆるさから少年漫画のような熱く切ない展開へ劇的に変貌するなど、日常だけでない世界観や物語の魅力に惹きつけられた。

キャラクターの方に言及すると、シャミ子はタイヤに乗って乗ってタイヤの上でやってみてやってみて乗ってやってみてのシーンを筆頭に面白かわいかったし、途中から参戦した陽夏木ミカンちゃんは満を辞しての登場のわりに比較的「普通」の子なのがある意味新鮮だったし、リリスさんも小動物的な愛らしさやツンデレモードもあり可愛かった。だがやはり千代田桃だろう。当初のダウナー系な印象から徐々に徐々にクーデレへと変化していき、最後はもはやデレデレになるその過程がめちゃくちゃ自然かつ丁寧で、彼女に対して「いつの間にか好きになってた」という感覚にさせられていた。最終話でシャミ子の決闘の申込みを遊びの誘いだと勘違いしてめっちゃおめかししてきた挙句に見せた膨れっ面は今期最大萌え瞬間風速を観測。今期も結局cv.鬼頭明里がオタク人気を掻っ攫うクールだったし、今期の流行語大賞であろう「シャミ子が悪いんだよ」を生み出す(生み出してない)など、話題性にも富んでいて文句なしの優勝です。

 

『Re:ステージ! ドリームデイズ♪』

アイドルものらしい王道を征くストーリーに、素晴らしい楽曲とクオリティ高いライブパートが合わさって手堅く名作にのし上がっていった印象。「夢」や「再起」といった誰しもに刺さるテーマを真摯に扱い、同じ夢を目指している者たちが手を取り合い成長していくKiRaReのストーリーは感動必至であった。特に、今まで辛い過去から逃げてばかりだった舞菜が、紗由との出会いで夢を取り戻して強くなっていく様は非常にグッとくるものがあった。

本作の魅力はやはりライブだろう。1話のダンスシーン(特に舞菜が紗由に合わせて踊り始めるところ)からガッチリ心は掴まれてたし、今どき丁寧な手書きダンス作画が見られるというだけでも本作の価値は計り知れない。ストーリーにおける「ライブ」は、いつだって逆境を跳ね返し、人を惹きつけてきた手段であったが故に、その肝心のライブシーンに魅力を感じられないとストーリーは成立しなくなる。しかし本作はライブシーンが圧巻のクオリティであったため、ストーリーに文句なしの「説得力」を出して見せた。

あとは楽曲、その中でも歌詞が素晴らしい。「一人で見上げた空よりも輝く(Don't think,スマイル!!)」「一つじゃ頼りない 小さな明りでも 手を取り合えばほら 星座に変わってくように(OvertuRe:)」など、1人で叶えられなかった夢を、1人では成し遂げられなかったことを、みんなで叶えて成し遂げていく、そんなメッセージ性が込められた飾らない歌詞がとても良い。特に『OvertuRe:』は『キラメキFuture』の言わばアップデート盤で、メロディはそのまま曲のテーマをガラッと変えた発想は画期的だったし、6人それぞれの素直な想いを綴った歌詞がまた素晴らしい。

熱くて泣けるストーリーはもちろん、ギャグ回特有の何でもありな作風や「例のシーン【公式】」など、ふざけるところは徹底してふざける感じも本作に愛着が湧いた要因だろう。アニメを3分で振り返る動画を公式があげてくれているので未視聴の方は是非。騙されたと思って。

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『可愛ければ変態でも好きになってくれますか?』

1クールに1本は欲しい学園ハーレムラブコメラノベアニメ枠。「シンデレラが誰か?」という本筋に対して特に興味が湧かないという致命的な弱点はあったが、それを補って余りあるだけの圧倒的なヒロインの可愛さがあった。むしろ変態ヒロインたちのインパクトが強すぎて本筋が霞んでいたまである。ただ、シンデレラ云々が瑞葉の正体を視聴者に悟らせないためのブラフだったと捉えるとなかなかしてやられた感があるかもしれない。そんなことないか。

あとはヒロインの描き方も良かった。本作の女性キャラにおける最大の魅力は"ギャップ"であり、それはむしろネタバラシ後は魅力が霞んでしまう恐れもある。しかし、紗雪や唯花はいい感じにいい感じのポジションを終始保ってたし、南条さんや小春ちゃんは純粋な乙女の魅力があったし、彩乃さんは存在がシンプルに可愛かったし、とにかくネタバラシ後もヒロインの魅力が霞んでなかったのは非常に評価したい。

「これまでの変好き」で挟まれる瑞葉の台詞の一文字目を切り抜いていったら答えが浮かび上がる等の"遊び心"ある演出も随所に見られたし、2010〜13年代にやっていたと言われても納得してしまいそうな雰囲気とキャスティングも好感持てた。OPしか登場しなかったくせにキャラデザが良すぎた生徒会の残り2人と、昨今の淫行教師ブームもありいろいろ期待していたのに出番が少なかった沖田先生の活躍も見たいので2期来て欲しい。

 

『魔王様、リトライ!』

自分の語彙力ではとても表現できそうにないが、とにかく1クールに1本は欲しいタイプの必要悪アニメ。最初は視聴候補に入れていなかったのだが、やたらTwitterでハマってる人が多くて、試しに見てみたら3話ぐらいで病みつきになってしまった。

戦闘シーンにおける緊張感のなさとかクオリティの丁度良さとか主張が激しすぎるテロップ演出とか要所要所で放たれるパロネタとか魔王様渾身のツッコミとか、適度に笑わせてくれる感じが好きだった。最後の方なんて病院と温泉を経営するだけで終わる、もはやどういうジャンルのアニメなのかよく分からない感じになっていたが、こんなに落ち着いて見られる異世界転生作品もたまには良いなと思った。本作における安心感を生み出していたのは、ヒロインであるアクがいくら可愛くてもルナ・エレガントが渾身のデレを披露してもそれを俯瞰的に見られる魔王様の大人の余裕かもしれない。

あとは最終回まで毎回しつこいぐらいに出してくれたキャラ紹介テロップのおかげで、主要人物はもちろんエビフライ・バタフライからノマノマ店主イェイまでほぼ全員覚えてしまったし、登場人物が横文字のアニメ全てでこの演出を導入して欲しい。

 

『荒ぶる季節の乙女どもよ。』

思春期の「性」に対する葛藤や「性の否定」への抵抗などを、青臭く等身大で描いた性春群像劇で、「性」に対する理解の過程を恥ずかしいぐらいにまっすぐ描いていた点が良かった。

序盤は良くも悪くも岡田麿里さんだなという印象で、初回の自慰行為バレからのTRAIN-TRAINに絶句した以外の印象はあまりないが、文化祭以降の「負け組」が抗い始めてからの内容はとても面白かった。特に菅原氏や百々子の"荒ぶり"は序盤とのギャップもあり好印象。最後の方の男女交際禁止令のくだりは『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』の系譜を感じた。

個人的には幻想衝動迷走でお馴染みの『迷家』以来となるアニメイズム枠×岡田麿里ということで変な期待をしてしまったが、終わってみればまぁ別に悪くはないけど特別面白いわけではないという感じだった。あの脚本家は女性キャラの誰かを妊娠させないと気が済まんのか...

 

『手品先輩』

12分で短編4〜5本というテンポの良さと、奇術というか芸術の域に到達しかねない先輩のラッキースケベなどが魅力のコメディで、なんというか、本当に最低で最高だった。

先輩のどんなスケベシーンよりも、ぼっち飯のシーンや、他人とうまく距離を詰められない描写など、等身大の人間味が感じられるシーンに萌えを感じた。それはそうと個人的には第8話その5「デリバリー先輩」が神回。

 

『ソウナンですか?』

無人島×遭難という状況下でも決して絶望を感じさせない、ガチサバイバルコメディという感じで、12分という尺も丁度良くて面白かった。
例えば4人が揃いも揃って健康的なボディをしていたり、衣服があまり汚れてなかったり、体力・精神的に疲弊していなかったりなど、適度なケレン味を効かせることで、サバイバルというテーマに真摯に取り組みつつコメディタッチな作風を保っていたのが特に良かった。

 

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今期のヒロインは女子無駄のマジョや変好きの桐生瑞葉、古賀唯花、藤本彩乃あたりが好きだったが(振り返ると変好き強いな)、なんやかんやでまちカドまぞくの千代田桃が一番好きだった。

あとは『彼方のアストラ』『グランベルム』など面白そうだったのに見逃していた作品が多かったので、また隙を見てこれらの作品も見ていこうと思う。来期はできれば久しぶりに15本くらい見たい所存。

そういえば先日『プリンセス・プリンシパル』の続編もようやく詳細が発表された。心配していたアンジェの代役も、PVの古賀葵さんの声聴いたらそれも杞憂に過ぎないなと感じた。もっとも、一番心配なのは『ガールズ&パンツァー最終章』とどっちが先に終わるか、どっちも無事に終わってくれるか、である。アクタスさん頑張って…

 

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