Kind's room

アニメの感想、考察など。

2020夏アニメ・感想

大体クールの終わりの時期が来たらそろそろ今期の総括ブログ書き始めるか〜って思い始めるけど、いざ書き始めるのは今期が「前期」になった頃になりがち。

今年も例年の如く暑い日が続いたが、それに負けないくらいアツい気持ちにさせてくれた2020夏アニメを振り返っていく。

なお、今期は最終的な視聴本数が「9」本と少なかったため、いつもの格付け形式ではなくシンプルに感想まとめの形にする。

以下、満足度の高かった順。

 

 

 

 

 

デカダンス

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久しぶりに熱を持って視聴できるオリジナルアニメに出会えた。

ド迫力のアクションによるSFファンタジーとしての面白さ、サイボーグが人間を支配する特異な世界観の面白さももちろんだったが、何よりただひたすらに「生きている実感」を求め続けた本質的な部分に惹かれた。

つまり、戦う相手は巨大なモンスターなんかではなく、世界のシステムやルール。もっと言えば、それに縛られて変わることを恐れて何かを諦めかけている「自分自身」。それに立ち向かうナツメやカブラギの、ぎりっぎりの限界まで足掻く生き様は、何をしたいのか分からない、何で生きてるのか分からない、そんなことを思ったことがある人には刺さるものがあったはず。僕はめっちゃ刺さった。

その熱いストーリーをさらに響かせたのは、鈴木このみさんの歌うOP『Theater of Life』だった。サビの「生きているただその実感が欲しかった」は、シンプルながらも本作のテーマを表現した鮮烈なフレーズ。このシンプルな言葉のおかげで作品に深く入り込めたと言っても過言ではない。

常に生きることの本質を求め続け、伝えたいことが明確だったからこそ、見てるこちら側も熱くなれた。文句なしの今期トップ。

 

 

『魔王学院の不適合者〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』

2020夏を語るうえでゆめゆめ忘れることのできないアニメとなった。

近年稀に見るレベルの俺TUEEEEだったが、ここまで強さが吹っ切れてるとノンストレスで楽しい。そもそも物語の主人公が「史上最強の魔王」という前提があり、どんな理不尽な強さにも説得力が付随したのでもはや何やっても面白かった。

また、アノスとネクロン姉妹の関係がハーレムラブコメ的文脈だった一方で、レイとミサの少女漫画的カップル感もこの手の作品では新鮮で良かった。ファンユニオンへの絶大なリスペクトといい、登場人物の魅力を余すことなく引き出すのも上手かったと思う。

何より慈悲深くてカッコ良くて愛嬌も持ち合わせるアノス様の魅力にメロメロとなった1クールだった。好きなアノス様語録は「俺には知らぬことが二つある。後悔と不可能だ」と「瞬きだ」。

 

 

富豪刑事 Balance:UNLIMITED』

今期の推しアニメの一つ。金でものを言わせる主人公・神戸大助の型破りな行動が痛快極まりなく、近未来テクノロジーを駆使したスタイリッシュ感は絵面的にも楽しかった。

前半はコメディ色が強く、新幹線でスクラム組むおばさんやTENGAのおじさんなどいろいろ酷かったけど、後半はきちんと刑事ドラマとしての面白さを発揮。シリアス展開に入っても本作らしいスタイリッシュをギャグにならない程度に組み込ませるのが上手かった。神戸と加藤のバディものとしても熱かったのを踏まえると、4話の日常回も重要だったんだなと。

前半と後半で別アニメか?ってくらい面白さのベクトルが違ったが、結局そういう二面性が本作の魅力だったのかもしれない。

 

 

食戟のソーマ 豪ノ皿』

ついに終わってしまった。個人的にリアルタイムで7クール追ってきたアニメは初めてなので、完結の瞬間を見届けられたのはアニメオタクとして感慨深い。

4期の終わり方がちょうど良かっただけに、5期は何やっても蛇足にしかならないと思っていた。でも5期は間違いなく必要だった。料理描写が少なすぎて何の勝負なのか分からなかったり、おさずけパルスで観衆の服が舞ってたりなど、やってることはもうメチャクチャなんだけどクライマックスというだけで全て許してしまう。

創真とえりなの物語はいろんなものが巡り巡ってきたうえでの集大成って感じて感慨深かったし、当初は嫌な奴だった新キャラの朝陽も物語の完結において必要な存在だった。研鑽し合える仲間と、食卓を囲める家族の尊さを説く物語として最高の着地。最後だからといって湿っぽくなく全力でアホらしいのがソーマって感じで良かった。

5年間お疲れ様でした。お粗末っっ!!!

 

 

『放課後ていぼう日誌』

釣り×田舎×部活モノという案外ありそうでなかった?日常系。

隙あらば死んだ目になる主人公・陽渚を筆頭に登場人物がみな魅力的だった。部長のダウナーボイスから放たれる方言は永遠に聴いていたい。

釣りや料理の場面における描写の忠実さは動画工房の丁寧な仕事が感じられたし、飯テロは今期屈指の破壊力だった。

また、野鳥の被害を生々しく描いてマナー向上を訴えかけたり、水難事故対策における安全講習をしっかり描いたりなど、時に真面目なテーマを扱いつつも、重くなりすぎず(作品の雰囲気を壊さず)に絶妙な塩梅で描いていた点も良かった。

 

 

『THE GOD OF HIGH SCHOOL

神作画でお送りするハチャメチャエンターテイメント。MAPPAの高カロリーなアクション作画に大陸半島系アニメらしい豪快なストーリーが合わさってエンタメとしては申し分なかった。

シンプルに拳と拳のぶつかり合い!少年漫画のような熱い友情!って感じの5話まではめちゃくちゃ面白かった。ただ後半からは異能力やらチャクリキやら神やらSIXやらソウル市民全員をインポートやら、要素を詰め込みまくったせいで収拾がつかなくなってた。最後の方はGOHですらなかったし。

前半は面白かったのに後半がちょっと残念だったかなと。逆富豪刑事

 

 

『ラピスリライツ』

ドッジボールにお化け屋敷にボードゲームとトンチキ全開だった前半も、LiGHTsの破天荒っぷりが輝いていた後半も面白かった。最後の方は急に物語のスケールが大きくなって戸惑ったけど...。

他のアイドルアニメが時間かけて行う過去の掘り下げとか、一人ひとりの成長譚みたいなものを最小限に留めることで、大所帯のキャラクターに満遍なくスポット当てつつも話をうまく展開させてた印象。

『700,000,000,000,000,000,000,000の空で』を筆頭に楽曲やライブシーンのクオリティも高く、各ユニットの魅力は存分に引き出せていたと思うし、これからのメディア展開に期待も高まるアニメ化だった。

 

 

モンスター娘のお医者さん

こういうジャンルはエロくてナンボみたいなとこあるので、そういう意味で"医療行為"の範疇に留まる本作はどうしても中途半端に感じてしまった。大体異種族レビュアーズのせい。

基本的に一話完結の安定感あるストーリー構成で見やすかったし、当番回でスポットの当たったキャラクターがその後の話でも出番を自然に与えられてたのも良かった。ベストエピソードを選ぶとしたら5話のケンタウロスの従者回(一番えっちだったので)。

メインヒロインのサーフェとティサリアの正妻争いは楽しめたけど、最後あたりの取って付けたようなハーレムはどうかと思った。

 

 

ド級編隊エグゼロス』

女の子をHにしてパワーアップするアニメは名作。序盤でリアタイが途切れてからいっぱい溜め込んでしまい最後に一気にドバァァーーーって見た。

ブコメに関しては安易なハーレムじゃなくて烈人と雲母の関係に絞ってたのが良かった。あと雲母ちゃんが幼児退行する回が素晴らしかった。

 

 

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当初は16本視聴予定だったにも関わらず、3話辺りから見なくなった作品が多くて結局9本の完走となった。前までなら妥協で完走してたであろう作品も潔く断捨離するようになったのは、オタクとして成長なのか衰退なのか。

もっとも、来期(時期的に今期)は作品数に恵まれており注目作も豊富なので、2020年の締めとして楽しい3ヶ月を過ごしていきたい。