Kind's room

アニメの感想、考察など。

『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』考察 -久石奏はあのとき何が言いたかったのか-

映画館に進んで足を運ぶオタクではないため、公開3週目まで渋っていたが、そろそろツイッターにネタバレが出始める時期かなとも思ったので、先日『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』を観に行った。

結論、もっと早く観ていれば良かった。

TVシリーズ2期の頃の「ユーフォ熱」がまんまと戻ってきて、昨日3回目の鑑賞を終えた。その熱が冷めないうちに今こうして筆を執っている次第である。

(※)以下、劇場版の感想とか私的考察とか久石奏や夏紀先輩の可愛さについてのネタバレあり。

(※)原作未読。

 

 

 

「優しいんですね」

久美子のユーフォニアムの演奏に惹かれるようにして吹部の準備室に行きついた新入生・久石奏。引き戸を隔てて久美子と会話していた際に言い放った1回目の「優しいんですね」には、どんな意味が込められていたのだろうか。久美子と奏の間にある引き戸を境界線に見立てた演出から「(私に)踏み込んでこないんですね」と言っているような、そんな意味合いがまず感じ取れた。中学時代の話を踏み込まれては、私の人間性まで知られてはいろいろと困る。でもこの人は安全圏に留まる。一歩引いて上手く立ち回って敵を作ろうとはしない。ただ、気になるのはこの台詞はあすかの話題が絡んできた際に発していたので、もしかしたら別の意図があったのかもしれない。

そして何より、黄前先輩は私以上の実力を備えている。この人の下にさえついていれば、私は中学の時のような苦い想いをすることはない。下手な先輩は存在自体が罪だが、黄前先輩は私より年上で私より上手い。しかも安全圏に留まって敵を作ろうとしないタイプで、その処世術は私の目指すものでもある。この人なら信じられる。

しかし、求への「月永くん」呼びや美玲の「みっちゃん」拒否で一悶着があった後の、2回目の「優しいんですね」はかなりニュアンスが違うように思えた。ここは一悶着をくだらないと発言した奏へ「くだらないことはない」と久美子が返したことに対しての台詞だったが、それは若干拗ねながらだった。ここは単に自分の意見が跳ね除けられたことに対する不満を、皮肉を込めて言ったように思えた。

美玲orさつきのどっちが好きか、という問いに公平な回答をした久美子に対して「その答えはズルくないですかぁ?」と言ったのは、内心は美玲側のくせにと確信していたからだろう。久美子先輩は私サイドの人間だと思っていたから。その後に「久美子先輩はお心が広い」と言ったのは、美玲&さつきの両方を支持することで敵を作らないようにしていると感じたからではないだろうか。加えて「久美子先輩は本当に尊敬できる方」と言ったのも本心なのだろう。この人は私と同じだと思っていたから。

 

「いいですよ、美玲がいいならそれで」

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予告編より

サンフェス直前で突然やめると言い出した美玲。美玲は吹奏楽に対して非常に真剣なため、ふわふわしている葉月やさつきが許せなかった。あと、さつきが他の女と親しくしてるのも許せなかった!そういえば、入部当初、教室での質問のシーンでも、奏は美玲の「コンクールメンバーはオーディションで選ばれるって本当ですか?」という言葉を完全に翻訳していた。なぜ奏は美玲の心情を読み取れたのだろうか。それは、美玲に中学時代の自分を投影していたからだ。

実力はあっても居場所はない。頑張っているのに評価されない。それは過去の自分を見ているようだったのではないか。このままでは美玲が不幸な目に遭うのは目に視えている。だから、奏は実力のある美玲を守りたかったのだろう。ただやり方がサークラっぽかったぞ久石奏!

 

「正直ホッとした」

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予告編より

さてさて劇場版の重要人物の一人、加部ちゃん先輩(かわいい)である。顎関節症により奏者を辞退することになった(※)が、その後の久美子との会話では、悔しさを露わにするというよりは、「そんなにショックじゃない」などの冷静な言葉を発していた。こんなに練習して結果が出なかったらどうしよう、上手くいかなくて後悔したらどうしよう、といったオーディション前のプレッシャーから解放されたという意味での言葉だと最初は思った。でも、2回目の鑑賞で少し印象が変わった。コンクールの課題曲が発表されるシーンで、彼女はすでに不穏な表情を見せ始めていたのである。それは「ホッとした」人が見せる表情には到底思えなかった。彼女は本当に「本音」を語っていたのだろうか...

というか、これだけスポットの当てられた人物にも関わらず、クレジットでは「吹奏楽部員」表記だったのなんでだろう。求より目立ってただろ。

 (※)これも2回目の鑑賞で気づいたが、序盤の滝先生の「漫然と吹いてはいけません~」のシーンで顎に違和感を抱いている描写も確認できた。

 

「なかなか策士ですね」

 この映画を複数回見る意味が最も含まれた台詞だと個人的には思う。低音パートの練習シーンで、パート分けは久美子が上の部分を一人で、夏紀と奏が下を二人で、という風に決まった際に言い放った謎の"策士"発言。そもそも夏紀に対してなのか久美子に対してなのか微妙だったが、恐らく久美子に対してだったのだろう。

後の黄前相談所inサイゼリヤや、無気力オーディション事件からこの台詞を遡ると、しっくりくるものがあった。奏は自分が夏紀より上手いことを自覚していた。久美子先輩もきっと同じことを思っている。だから、該当シーンでは「夏紀が奏と組んで演奏する」=「夏紀の音(技術)を浮かせない」という風に解釈し、自然にこの組み合わせを提案した久美子を"策士"と評したのではないだろうか。ただ、久美子はそんな意図を込めてはいなかったので、この"策士"発言は奏の見当違いであった。

場面は移ってサイゼリヤのシーンで、久美子に「夏紀先輩は奏ちゃんの方が上手いって認めてるんだよ」と言われた際に「困ります」と言ってしまう。なぜ困るのか。それは、自分の思った通りに事が運ばなくなるからだろう。

夏紀は自分より上手い後輩に教えを請うている。夏紀は自身の実力が劣っていると認めたうえで、上手くなろうとしている。年功序列ではなく実力至上主義であると、夏紀自身が感じている。ということは、自分がオーディションの際に企てている、先輩に道を譲るための無気力計画は、そもそも先輩後輩の考え方を持っていない夏紀に対しては、なんの意味もなさない。これが「困ります」の真意ではないだろうか。

もっとも去年のオーディションの際、みんなが高坂先輩に吹いて欲しいと言ったわけではないのも紛れもない事実。結局、私の思った通りだった。

 

「なんですか先輩2人がかりで。リンチですか?」

そして例の無気力オーディション事件である。仮に、夏紀先輩本人が学年云々を気にしていなくても、周りが気にしていない保証はない。だから奏は、自分の身を守るためにわざと夏紀に道を譲る選択をする。奏と麗奈が決定的に違うのは「ここ」なのだろう。

 

「頑張るって何ですか?」

 奇しくも奏と久美子は中学時代、同じような経験をしていた。だから奏の気持ちは痛いほど分かってしまうし、敵を作りたくない気持ちも確かにあるのだろう。

しかし久美子は加部ちゃん先輩から想いを託されていた。 こんなに練習して結果が出なかったらどうしよう、上手くいかなくて後悔したらどうしよう、ということすら加部ちゃん先輩はもう考えられない。その無念を知っているからこそ、奏には余計に挑戦して欲しかったのだろう。頑張っても何にもならないかもしれないが、頑張ったその先にきっと何かがあるから。

 

「やったじゃん」

そして今年もオーディション、その特有の緊張感はさすがに、1年間を2クールで描いたTVアニメ版よりは劣ったが、夏紀先輩が呼ばれた瞬間はすごく高ぶった。

そして加藤葉月。秀一には振られ、後輩にはキレられ、そして今年もコンクールに落とされて相変わらず不憫な役しか回ってこない。みんな葉月に何の恨みがあるってんだ...

ただ、サンフェスの時といいオーディションで美玲が選ばれた時の「やったじゃん」といい、何気にこの映画で一番好感度が上がった人物かもしれない。

 

京都府立北宇治高等学校、ゴールド金賞」

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予告編より

尺の都合上、京都府大会をすっ飛ばしての関西大会本番。本番前、舞台裏での夏紀先輩の久美子にかけた台詞は本当に良かった。やっぱこの人が一番好き...

演奏シーンに関してはやはり映画館の音響で聴くのは別格だなと。内容は1クール以上かけてじっくり見たい、でも演奏は映画館の音響で聴きたい、という贅沢な葛藤に悩まされる。

結果は知っての通り。というか案外「金」いっぱいあるんだな。優子部長の演説は、1期のクソレズデカリボン時代からは想像もできない頼もしさがあったし、美玲の「来年は一緒に吹きましょう」のシーンはこの映画で最も涙腺にきたかもしれない。

 

「悔しくて死にそうです」

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予告編より

先ほど奏と麗奈が決定的に違うと言ったが、関西大会終了後には、すでに奏には麗奈と同じ魂が宿っていた。頑張っても何にもならなかったとは言いつつも、頑張ったその先にあるものを彼女なりに見つけたのだろう。

1年生の流した悔し涙に今後の北宇治の安泰を感じる、そんなシーンであった。

 

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実はユーフォの新作劇場版が発表されてから公開されるまでの間、ずっと心待ちにしていたというわけではない。原作を追っているわけではないし、TVシリーズ2期から2年半近く経っているため、当時の「ユーフォ熱」はほぼ残っていなかった。ただ、アニメ2期の圧倒的なまでの面白さを思い返し、当時の作品に対する熱を取り戻すには、あまりにも十分な100分間だった。

随所にちりばめられた細かいネタや伏線・演出など、毎回新しい発見ができるのもユーフォならでは。当初は映画見るだけの予定でこの記事も書く予定はなかったのだが、やはりこの作品は語りたくなる魅力があるのだなと改めて実感。ただ、複数回見ても未だに演出の意図が読めないシーンも何個かあったりするので、マジで巻き戻ししながら何回も見たい。早く円盤出して欲しい。

まぁ今はこの「ユーフォ熱」が冷めないうちに、1期からアニメを見返すことにしようと思う。今期あんまり見るのないしな!

 

最後に、Twitterに「#細かすぎて伝わらない誓いのフィナーレ見所」という面白いタグがあったので、それに便乗して個人的な「可愛すぎて直視できない誓いのフィナーレ見所」を発表してこの記事を締めたい。

 

銅賞  「ぐはぁ、マジかぁ~」を連発する夏紀先輩

ハッピーアイスクリームのシーン。脱力感ある声のトーンが可愛い。

 

銀賞  優子に恥ずかしいセリフを言われて赤面する夏紀先輩

関西大会本番前のシーン。完全に不意を突かれたことで拝めた貴重な照れ顔。

 

金賞  久美子にコツンとされて100点満点のスマイルを浮かべる久石奏

他の女子に秀一との会話権を取られた久美子を小馬鹿にして小突かれたシーン。いたずら可愛い笑顔にゴールド金賞。

 

 

 

一里ぼっちから読み解く「ぼっち」の生態について

 世の中には2種類の人間がいる。

「努力しなくても勝手に友達ができる人間」

「努力しない限り友達ができない人間」 

 

後者の場合、努力しなければ友達ができることはない。つまり、何もしなければ「ぼっち」一直線だ。

ではなぜ、「ぼっち」は「ぼっち」になってしまうのか。

 

・友達が欲しいのに人見知りとコミュ障を拗らせて行動できなかった

・性格や素行など何らかの原因により嫌われてしまった

・趣味が一人でも楽しめるものだから友達作る必要がなかった

・そもそも他人に興味が持てず友達を作ろうとしなかった

・ぼっちというステータスにむしろ誇りを感じていた

・人間関係は必要最低限の事務的なものだけに留めていた

・かつての人間関係に固執して新たな人間関係を構築しなかった

・単独行動を好みすぎていつの間にか周りに人が居なくなっていた

・アブノーマルな趣味嗜好を持っており人が寄ってこなかった

限界集落すぎて友達どころか人と接する機会すらなかった

 

などなど。ぼっちの数だけ「ぼっち」の理由は存在するものであり、挙げだしたらキリがないのでこの辺にしておく。

 では、「ぼっち」はどのような生態で、この現代社会で生活しているのだろうか。本記事では、ある一人のアニメキャラにフォーカスして、それを分析していきたい。

 

 

2019年4月より放送中のTVアニメ『ひとりぼっちの〇〇生活』は、「ぼっち」の主人公・一里ぼっちの、”脱ぼっち”に奮闘する姿を描いたハートフルコメディである。

私はアニメ版しか知らないため、一里ぼっちに対する印象は、この記事を執筆している時点で放送された、たった4話分のみだ。

しかし、この一里ぼっちという女の子に惹かれる要素は、その4話だけでも十分に揃っていた。

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公式サイトより

こちらが本作の主人公・一里ぼっち。一里という姓の家庭に生まれてぼっちなんて名前つけられたら普通は家庭裁判所に改名申し立てを辞さないが、そんなことは一切考えない、心優しい女の子である。

 

そんな彼女が「どのようなぼっちなのか」「なぜぼっちなのか」を、シーンごとにピックアップし、彼女を通して「ぼっち」の生態について分析していきたい。

(※)以下の内容は筆者の主観と偏見と、ときどき実体験に基づくものです。

 

 

ぼっち要素その①:問題に対して解決策ではなく現実逃避で乗り切ろうとする

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第1話より

幼なじみのかいちゃんと交わした(無理やり交わされた)「中学卒業までにクラス全員と友達になるまで絶交」という鬼畜この上ない約束。その約束を達成するうえで立ちはだかるのが、そもそも人見知りで声をかけられない問題。それを乗り越えるためにぼっちが打ち出したのは、「友達をつくらなくても約束を達成できる作戦」という、解決とはかけ離れた、ただの現実逃避だった。

「ぼっち」の生態として、その臆病な性格ゆえに失敗を恐れる。そのため、目の前の問題に対して第一に考えることは、「どうやって回避しようか」なのだ。その理由としては、人を巻き込みたくないからだ。「ぼっち」は人に迷惑をかけたくない生物なので、自分一人の範囲でできることを模索する。だが、一人でできることなんて限られている。だからといって、人を頼ろうとはしない。そもそも頼れる人がいない。そうなったとき、自分一人で何ができるか。そう、「逃避」なのだ。

 

ぼっち要素その②:ちょっと話しかけられただけで多幸感を得られる

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第1話より

今では仲睦まじい砂尾なこに、ぼっちが初めてかけられた言葉は「なんだよゲロ」だった。しかし、話しかけられた内容よりも、話しかけられた事実が重要なのだ。

「ぼっち」の生態として、基本自分から話しかけることができない。しないのではなく、できない。苦手ではなく、不可能なのだ。人との距離感を測ることができないため、まずアプローチの仕方が分からない。だから、自分から話しかけたとしても、会話のキャッチボールすらできず、相手に迷惑をかけてしまう。そうすると、罪責感に苛まれて自分も病んでしまう。そして、ますます対人コミュニケーションに苦手意識が芽生える。一度芽生えたその苦手意識を取り払うには、実体験に基づく成功パターンの構築、もしくは、自分の抱えている悩みを相談できる相手が必要だ。しかし、臆病な「ぼっち」に苦手意識を取り払うためのチャレンジ精神なんてものは存在せず、そもそも悩みを相談できる相手を作るステージにすら立つことができないので、はっきり言って詰みだ。現状のまま日常生活を過ごしていれば臆病だけが残り、苦手意識だけが成熟していく。そうすると、もはや人に話しかけることは、苦手の域を超える。

そんな悩みや葛藤が一発で解決する魔法がある。それは、「人から話しかけられること」だ。抜本的な解決方法である。「ぼっち」は話しかけられただけで、よほどのことがない限り、その人に対する信頼は頂点に達する。こんな単純な生物が他にあるだろうか。いや、ない。ちなみに「ぼっち」は、1日に会話した人数(会話が成立した人数)が多ければ多いほど、その日の満足度も高くなる。

 

ぼっち要素その③:人の話を理解できない

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第2話より

なこの悩みが知りたいぼっち。対して、なこの返答は「入学以来変なのに付き纏われていること」だった。少しジョークも混ぜつつ、ぼっちに感謝の気持ちをサラッと伝えるなこのイケメンっぷりが発揮されたシーンであるが、当の本人にはジョークがジョークだと伝わらない。素直な性格が災いして、言葉をありのまま受け取ってしまう。

「ぼっち」の生態として、コミュ障である場合が多い。コミュ障とは一口に言っても、人見知り=コミュ障ではない。コミュニケーションを交わすうえで重要なスキルが欠落していて、会話が円滑にいかない状態、それがコミュ障であると私は考えている。

「自分の思っていることをまともに言語化できないことが多い」

「相手の話していることをまともに理解できないことが多い」

この両方を満たしている人は、すでに「ぼっち」である可能性が極めて高い(偏見)。言わずもがな、ぼっちはこの両方を満たしている。なぜ人の話を理解できないかという点については、医学や心理学の話も関連してくると思われるので、ここでは割愛。

 

ぼっち要素その④:人の話を聞かない

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第2話より

なこに謝る際、体操服に着替えたぼっち。「なんで着替えたの?」というアルの至極真っ当な問いに対し、ぼっちは「(なこちゃんは)なんで怒ったんだろう...」と、すぐ隣にいるアルの存在をまさかのアウトオブ眼中。

「ぼっち」の生態として、というか「ぼっち」に多い内向型人間の特徴として、一つのことに集中してしまい、他のことが疎かになる。そのため、何か考え事をしていると、人の話を聞く心の余裕が生まれず、人の話に耳を傾けることができない。そもそも、人の話に興味を持てないというパターンもある。

人の話を聞かないという点では第3話の、なこを家に招いたシーンも印象的だが、そこは後述。

 

ぼっち要素その⑤:マイペースであることへの自覚がない

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第3話より

ぼっちに対して最も「ぼっち」の素質を感じたのが、なこを家に招いたシーンだ。まず人の話を聞かないのはここでも健在、さらに自らの用意した「台本」に沿ってその日のスケジュールを進行していく。相手のことを考えているようで「相手のことを考えている自分のこと」しか考えていない。

「ぼっち」の生態として、単独行動を好むため、どうしてもマイペースになりがちだ。さらに、集団行動に慣れていないため、人に合わせることができない。自分が人に合わせている、と思っている場面でも、実は人に合わせてもらっていることが多い。そう、自分のペースに相手を付き合わせてしまっていることへの自覚すら持てないのだ。

 

ぼっち要素その⑥:頑張っても空回りしかしない

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第3話より

なこを頑張っておもてなしするはずが、ティーカップを割ったり、紅茶をこぼしたりなど、かえって迷惑をかけてしまったぼっち。おもてなしの方法よりも「なこちゃんを頑張っておもてなしする」というやる気だけが先行して、行動が空回りし、計画は案の定破綻する。

「ぼっち」の生態として、スケジュール管理が杜撰になりがちだ。単独行動しかしてこなかったツケはこういう場面で回ってくる。普段は一人で行動するため自分のことだけを考えた予定を立てられるが、相手がいる場合、相手のことも考えた予定を立てなければならない。彼女は心配性のため、計画はむしろ慎重に立てる派なのだが、なにせ集団行動の経験が圧倒的に不足しており、相手のことまで綿密に考えた計画が立てられない。やる気に計画の質が追いついてないため、徐々に計画がうまくいかないことが判明し、自分が空回りしていることに気づく。

 

ぼっち要素その⑦:極力声は出さない

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第4話より

中途半端に顔見知りのご近所さんが立ち話で道を塞いでいた際、ぼっちは後ろから挨拶をして道を開けてもらうのではなく、ちょっと足音立てたら勝手に道を開けてくれるだろう、という淡い期待だけを抱いていた(結果存在に気づかれて向こうから挨拶された)。

「ぼっち」の生態として、いざというときに声が出ない。もしくは出さない。「ぼっち」にとって「声を出すこと」は、普段使わないエネルギーを消費する行動であり、それが自分から話しかけなければならない状況だとなおさらだ。中途半端な知り合いとすれ違いそうになったら、挨拶する、つまり自分から声をかける状況が発生する。それを回避するために、気づかないふりをしてその場を過ぎ去る。向こうから話しかけられて初めて「あっ、おはようございます!」と、さも今気づいたかのような感じで返すのだ。挨拶は社会人の基本であるが、「ぼっち」にとってそのハードルは想像以上に高い。

 

ぼっち要素その⑧:他人と他人は大体仲良しと思っている

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第4話より

なこがソトカへ師弟関係について説いている際、ぼっちはその様子を見て「2人は仲良いんだ」と呟いた。ちなみに2人がマンツーマンで話しているのは、これが初である。

「ぼっち」の生態として、客観的な「友達」の定義が曖昧である。例えば、AさんとBさんが2人で喋っていた場合、仮にそれが事務的な会話であっても、会話が成立しているだけで「2人は親友同士なんだな」と勝手に思い込んでしまう。友達が少なければ、友達と言える判断基準のパターンも少ない。ぼっちの場合は現状、友達以外の人とは会話が成立しないため、自分のなかで「会話が成立する人=友達」という基準が成り立っている。むしろ、これしか友達における判断基準を持ち合わせていないため、アルに「喋っているだけだよ」と言われた瞬間、一瞬パニックに陥ってしまったのだろう。

 

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以上が、TVアニメ『ひとりぼっちの〇〇生活』1話~4話までで、一里ぼっちを通して読み解いた「ぼっち」の生態だ。

 結論からして、私はこの一里ぼっちというキャラが好きだ。なぜなら、共感できるポイントがあまりにも多いからである。今までの「ぼっち」キャラは、単に人見知りなだけだったり、性格が捻くれていたりといった部分でしか「ぼっちを構成する要素」を感じられず、どこかもやもやしていた。しかし、一里ぼっちはどうだろうか。はっきり言って、要素を的確に押さえすぎである。全国の「ぼっち」に、彼女の姿はどう映っているだろうか。ちなみに私は自分が鏡に映っているような感覚である。

加えて、まだ本編でその背景が描かれていないため、本記事では詳しく言及できなかったが、ぼっちはかいちゃんとの約束がなければ、友達を作るための努力をしなかったかもしれない。「ぼっち」は過去の人間関係に固執する傾向にあり、かつて友達が居たという事実にいつまでも縋り続け、自分で自分を満足させ、いつまで経っても新しい友達を作ろうとしない。そうなるのではないかと、いち早く危機を察知したかいちゃんが、あえて突き放したのではないだろうか。

しかし、ぼっちの「ゼロから人間関係を構築した」という事実は変わりない。彼女が砂尾なこや本庄アルといった最高の友達に出会えたのは運が良かったのももちろんあるが、彼女らを引き寄せたのは、かいちゃんとの約束を果たすために、自分の苦手を克服するために、ぼっちが勇気をもって行動を起こした結果なのだ。

 一里ぼっちという女の子を通して、この世の「ぼっち」は元気をもらっているに違いない。「ぼっち」が誰かを救うなんて難しい話だが、その生態を忠実に描いているこの作品に、そして一里ぼっちという一人の女の子に、この文章を書いている私はちょっと救われていたりする。

 

 

 

 

2018春・夏アニメ雑感+雑記

時の流れというのは残酷で、圧倒的名作だった『よりもい』や谷口はるみさんにガチ恋した『citrus』、牙の鋭さがうんたらかんたらの『キリングバイツ』、なぜか放送終了後にラジオが始まり案の定続編決定の『ゆるキャン△』、いつになったら続編やるんだ『メルヘン・メドヘン』などで盛り上がった2018年冬アニメからもう1年が経とうとしている。

そういえばツイッターメルヘン・メドヘンが終わるまでが2018年冬アニメ」という呟きの後ぐらいから更新止まったから勝手にメルヘン・メドヘンと心中したみたいになってるが、お互いなんとか多分生きてるので安心していただきたい。

 

閑話休題

2018年4月以降は学業やらバイトやらインターンやらで忙しくメンタル的にも非常にヤバかったので一旦クールダウンの期間を作ろうと思った。それと年々アニメ視聴が娯楽というより"義務"になりつつあったので、一度自分のアニメ視聴に対する価値観を見直す期間としても充てようと考えた。約1年のリハビリのおかげでアニメを"娯楽"として楽しむ、オタク初期時代の頃の純粋な気持ちが戻ってきたと感じるので、結果的には良かったのではないか。というのは建前で本当はシンプルに復帰するタイミングとかきっかけが作れなくてズルズル1年きてしまった感の方が強い。

そして1年近くもツイッターから離れてたのに自分の存在を覚えてくれた人がたくさん居て正直めっちゃ嬉しかった。そして1年近く経ってもメルヘン・メドヘンは全然終わってなかった。これぞ終わらないコンテンツ。

 

というわけでアニメの話。2018年春・夏クールにかけては視聴本数も少なく、なんならアニメ放題で昔見てた作品を改めて見返すことの方が多かったぐらい。

ちなみに見返してたやつは『涼宮ハルヒの憂鬱・消失』『長門有希ちゃんの消失』『Another』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』『悪魔のリドル』『ひめゴト』、新たに見たやつは『俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している』『這いよれ! ニャル子さん』あたり。我ながら意味不明なラインナップだったと思う。

2018秋クールは個人的に繁忙期だったので実は1本も見てない。ただ気になる作品は結構あるので(ラインナップは後述)、冬アニメと両立しつつ見ていければなと思う。

前置きが長くなったが、ここからは2018春・夏アニメの感想を述べていきたい。

 

 2018春アニメ

ヒナまつり

抜群の掴みから勢いが落ちることなく最後まで安定してクオリティが高かった。超能力少女×おっさんという組み合わせから『アリスと蔵六』が思い起こされたが、その設定を道徳・教育的に活かした前者に対してこちらはコメディへ上手く変換してたなという印象。シュールなボケとキレキレのツッコミで択一した笑いのセンスを感じさせた。三嶋瞳ちゃんは春クールの優勝ヒロインだったかも。

 

こみっくがーるず

ポスト『スロウスタート』としての期待を裏切らない面白さだった。序盤は良くも悪くもありきたりな日常系という印象だったが、転機となったのは怖浦先輩&虹野先生が登場した6話。おもしろ美人キャラ2人は"萌え"の戦力アップに大きく貢献し、作品全体におけるギャグもこの辺からキレが増した気がする。成長譚・友情ストーリーとしてハートフルに描きつつも最後までコメディの体を全く崩さなかったのが好印象。そろそろ「本渡楓さんと大西沙織さんが共演するアニメは名作の法則」を提唱してもいい。

 

3D彼女 リアルガール

ブコメとしてはシンプルかつストーリーが明瞭で、ベタな展開を飾らずやってる感じが好感持てた。本来なら付き合うはずの立場にない2人の関係ゆえに、価値観の違いや心のすれ違いが何度も発生し、何度もいざこざを繰り返しながらその溝を埋めていくというストーリーは見てて安心感さえあった。最後まで主人公と猫耳はいけすかなかったがヒロイン3人は揃って魅力的だった。「陰キャオタク×絶世の美少女」という設定の強みが最後までブレずに面白かったし2期も見よう。

 

 『食戟のソーマ 餐ノ皿 遠月列車篇』

シリーズ5クール目でついにえりな様がデレた...‼ 爆速で進む展開に実家のような安心感を抱きつつも、その分"熱"が一過性でストーリーも若干マンネリ化してきたなというのが率直な感想。でも創真vs葉山の対決でいわゆる「後出しジャンケン」が覆されたのは意外性あって良かったし、22話以降でストーリーを"食戟"一本に絞ってからは本領発揮。2期の時に感じた、あの圧倒的な高揚感が舞い戻ってきた。中途半端なところ終わったので4期に期待。ここまできたら暗殺教室みたいに完結までやって欲しい。

 

立花館To Lieあんぐる

百合姫読んでた頃は流し見程度だったけどこんなに面白かったとは(citrusと同じパターン)。ハーレム系ラブコメの被ラッキースケベ主人公をボーイッシュ系女子にするって何気に革新的だと思う。藤原このみちゃん可愛かった。

 

『踏切時間』

第1話があまりにもエモすぎてニコニコ動画に課金してまで全話見た。『二人の青春』『SNS兄妹』はあまりにも名作だった。こういうオムニバス形式の萌えショートアニメが忙しい現代人に求められているのではないだろうか、と個人的には思う。

 

※近日中に見る枠刀使ノ巫女 波瀾編』

第15話「怠け者の一分」まで視聴済み。2クール目に入ってから名作アニメの風格を纏いはじめた感。周りの評価を見てるとどうやら傑作に終わったみたいなので、安心しつつ優先的に視聴していきたい。燕結芽の生存を諦めない会としてもな......

 

※近日中に見る枠僕のヒーローアカデミア 第3期』

第51話「入れ寮」まで視聴済み。5クールも放送してここまで面白さも評価もブレない作品も稀有では。デクの捨て身の戦闘で未来の"ヒーロー"を救った第42話、オールマイトがヒーローとしての"終焉"を迎えた第49話に関してはマジ感無量だった。4期が始まる前に追いつきたい。あとトガヒミコちゃんが性癖にストライク。

 

2018夏アニメ

あそびあそばせ

他愛もないキャッキャウフフ日常系と思わせておいての新感覚ギャグアニメ。エピソードごとに面白さの"波"はあったが、その分ハマった時の爆発力は凄まじかった。清廉潔白なオープニング映像、容姿端麗なキャラデザ、そこからは想像もできない下劣で過激な下ネタ、コンプライアンス的にもかなり踏み込んだであろうオリヴィアのスパイシー設定など、「可愛さをぶっ殺す強烈なギャップ」と「恐れ知らずの前衛的な作風」こそが最大の魅力だったように感じる。声優陣の弾けた演技も印象深い。

 

『すのはら荘の管理人さん』

ストレス社会のユートピアバブみ特化型アニメセラピー。癒しアニメオブジイヤー金賞。視聴者はただ画面いっぱいに移るおっぱいに身を委ねるだけで良かったし、アニメを娯楽というか"精神療法"的な楽しみ方したの初めてかもしれない。キャスティングの上手さも印象的で、姉役はキャラクター的にcv.茅野愛衣が適役だろうなと思ったらド直球で配役してきて笑った。あとキタエリのショタ演技も絶妙な塩梅だった。また、様々な性癖という名の需要に応じたフェティシズムも随所に発揮し、特にカラオケ回は理性を保つのに必死だった。絶対あのカラオケ企画に寄せただろ。

 

ゆらぎ荘の幽奈さん

欲しいところに欲しいラッキースケベが起こる、古き良きラブコメ界の重要文化財。正直印象に残ったエピソードはあまりないが、第9話「ゆらぎ荘の千紗希さん」は神回だった。逆に言えば、宮崎千紗希ちゃんが出る回とそうでない回で評価が大きく分かれたし、ヒロインが8人もいて魅力的だと感じたのが宮崎千紗希ちゃんと強いて言うなら伏黒夜々ちゃんぐらい。OPとEDはどっちも好き。

 
※近日中に見る枠ちおちゃんの通学路

第10話「篠塚さんと糖分と記者会見/サウンザンドスプリング」まで視聴済み。大空直美劇場の新境地。陰キャ同士が教室の隅っこでやるようなくだらねぇ会話とか、子供の頃に描いてたささやかな野望とか、個人的に(というか中の下以下の人生を送ってきた者には)刺さる部分が多くて楽しめた。音泉のラジオも面白かった。

 

One Room セカンドシーズン』

忙しい現代人が日ごろの生活では補いきれない1日分の"萌え"をたった4分で摂取できるサプリメント型アニメーションの続編。率直な感想としては「期待以上」と「やりすぎ」といったところ。七橋御乃梨編は「疑似的な兄妹」「疑似的な腐れ縁幼馴染」「疑似的な恋人」のような関係から"真剣"に発展するプロセスが良かったし、天月真白編はヒロインの危なげなさとそれに伴う背徳感を味わえる『One Room』の真骨頂って感じで、両者では求めていた以上の"萌え"を得られた。花坂結衣編は正直「続き」を知りたくなかった感。1期のころは当事者のような感覚でニヤニヤしながら見られたが、今回は第三者の視点でしか見られなかった。これは脚本上の問題というより、既にヒロインと主人公の恋人関係が出来上がっている以上、第三者である"あなた"は当事者に絶対なれない、という己の潜在的な認識が邪魔をしていたんだと思う。結論として、結婚したいのは七橋御乃梨ちゃん、恋愛したいのは天月真白ちゃん、決別後に大学のキャンパス内で遭遇した時にきまずくなって互いに視線を逸らし合う関係が卒業までズルズル続きたいのが花坂結衣。

 

 2018秋アニメ(視聴予定ラインナップ)

※随時視聴『となりの吸血鬼さん』

※随時視聴青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』

※随時視聴『あかねさす少女』

※随時視聴『アニマエール!』

※随時視聴『うちのメイドがウザすぎる!』

 

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Twitterに触れていなかった約1年間の間にアニメ業界ではいろんな出来事が起こったと小耳に挟んでいる。特に今村彩夏さん引退とWake Up,Girls!解散はショックが大きかったし、某なろう産アニメの放送中止騒動やいもいもプル天騒動や平〇綾さんSuper Driver事件などはインパクトが大きかった。それはそうと、1年の月日が経っているにも関わらず、メルヘン・メドヘンはまだ終わってなかったし、ガルパン最終章は案の定長期スパンだし、当のアクタスプリンセス・プリンシパルの全6章の劇場公開を控えてるらしい。冗談はろんぐらいだぁす!だけにしてくれ。

好きな作品の続編が決まるに越したことはないが、正直アニメ業界は無理しすぎだと思う。アニメの公開媒体を映画にすることはTVシリーズ続編より確実に利益を得られるだろうし、話数を小分けにして作れば作るほど収益は増えるのかもしれない。ただ、ファンの立場から言えば、好きな作品は「好きな作品としての印象を保ったまま」自分の記憶に残り続けて欲しい。いくら中途半端にTVシリーズが終わっても、いくら待てど続編が来なくても、「好きな作品のまま」自分の記憶に残り続ける、そんな状態のコンテンツでも素敵だなと最近思うようになった。いや、別に映画館に足を運ぶのが面倒くさいとかアニメは30分単位で見たいとかそういうことではなくてだな...

 

 

 

2018冬アニメ・格付け&総括

2018年は4年に1度のワールドカップイヤーだが、それに先駆けて冬アニメ作品も連日に渡って熱い金賞・優勝争いを繰り広げていた。果たして金賞の栄冠を、優勝のトロフィーを掲げたのはどのアニメだったのか。さすがにちょっと無理あるな。

というわけで早く来期アニメに魂を移すためにも、私が今期視聴した全19作品の格付けと作品ごとの総括、及びクール全体の総括をしていきたいと思う。

格付けの基準としては、

金賞】:今期で総合的に最も優れた作品
銀賞】:金賞に次ぐ優れた作品
銅賞】:銀賞に次ぐ優れた作品
技能賞】:脚本、演出、作画など随所に優れた技術を発揮した作品
敢闘賞】:全体的に安定して高い完成度を誇った作品
殊勲賞】:個人的に強いインパクトが残った作品
【選外】:惜しくも入賞を逃した作品
優勝】:今期で最もエンターテイメント性に優れた作品

といった感じで独断と偏見とさじ加減で決めている。

それでは早速【金賞】から。

 

 

 

 金賞

宇宙よりも遠い場所

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間違いなく今後語り継がれるであろう珠玉のオリジナルアニメだった。「女子高生が南極に行く」という壮大なコンセプトを等身大に描いてたのが非常に良くて、悩みや葛藤を抱えた少女4人の成長模様や熱い友情のストーリーに毎週目頭が熱くなった。特に友達が思い悩んでるときは一緒に悩み、正面からぶつかり、多少強引にでも良い方向へ導くという本作の友情の描き方は強く刺さるものがあり、特に6話のパスポート紛失回や11話の日向の元友人に対する報瀬ブチギレ回なんかは印象深い。また、「友達」に対する捉え方を描いた10話や、過去の友人たちとの関係をしっかり断ち切った11話など、痒いところにまで手が届く人間関係の描き方が本作は特に優れていたように思う。加えて、南極に行くことを馬鹿にしてきた奴らへの「ざまぁみろ」だったり、日向を傷付けた元友人たちへの「ざけんな」などスカッとするようなシーンも多く、他のアニメでは絶対味わえないタイプの爽快感も魅力の一つだった。「夢を持つこと」「一歩踏み出すこと」の大切さと素晴らしさを教えてくれたこの作品に出会えたことは、一アニメオタクとしても一人の人間としても貴重な体験だったと思う。これほど綺麗に右肩上がりで確実に名作に仕上がっていく作品はそうそう無いのではないだろうか。1クールという短い期間でこれ以上ない纏まりの良さと内容の濃さと完成度の高さを前に、文句なしのゴールド金賞。‬

 

 

銀賞
『‪ゆるキャン△

私の観測範囲内では今期トップクラスの人気を誇る作品だった。のんびりした性格のキャラクター達が繰り広げるゆる〜い日常は見ているだけでヒーリング効果抜群だったし、冬の澄みきった空気感を味わえる美しい作画も何気に素晴らしかった。温かいキャンプ飯や綺麗な景色、満天の星空など見ている側にもキャンプのロマンを感じさせてくれる、一種の旅番組のような娯楽感も本作に惹きつけられた要因だろう。女の子たちがグループになって楽しい日常を展開するのがきらら作品の醍醐味ではあるが、「一人の時間」を徹底して尊重しているのが本作の魅力の一つだったのではないだろうか。個人的には当初、「ソロを好むリンが居るにも関わらず5人でキャンプする流れが腑に落ちるのか」という点を懸念事項に思っていたが、なでしこが野クルとリンを繋ぐ架け橋になり、自然な合流のためのアシスト役になったことでこれも受け入れられた。そして5人集まってキャンプしたからと言って今度からも5人でキャンプするとかではなく、あくまでもキャンプに対するそれぞれの楽しみ方を尊重していくという、決して画一化されない登場人物たちの関係性がまた素晴らしいと感じた。きっと、そらでつながってるんだよな...‬

 

 

銅賞(3作品)
『‪ヴァイオレット・エヴァーガーデン

正直なところ全体的な満足度という点では当初の期待値より下回ったが、今期でも有数のクオリティだったことには変わりない。全体的なストーリーはもちろん、「愛してる」を学ぶ過程として描かれた挿話は特に素晴らしいものがあり、10話なんかは間違いなく今期屈指の名エピソードだった。個人的にはヴァイオレットが主役というより、自動手記人形として人々の想いを繋ぐ第三者的な役割のときがストーリー的にも一番輝いていたように思えた。あらかじめ「"愛してる"を知りたい」という物語の方向性が定まっており、それを踏まえた上で彼女の成長を見守れたことが、一つ一つのエピソードに心揺さぶられた要因だと思うし、京アニの圧倒的な作画や演出などの見せ方の巧さがそれをアシストしていた。今期でも一番「アニメーションの強み」を活かせていた作品だったと思う。続編決定おめでとうございます!(これ以上何をやるんだ...?)‬


『‪刀使ノ巫女

恐らく今期最大のダークホースだったのでは。『女の子×剣戟』という鉄板の組み合わせに逃避行が追加された題材に惹かれ、世界観が解き明かされるにつれ壮大なスケールになっていく物語で右肩上がりに面白くなっていった印象。特に可奈美と姫和の、それぞれの母親の意志を受け継いだ"必然の運命"のストーリーは熱くて良かった。また、折神紫や親衛隊やノロを「ただの悪役」として描かずに、それぞれの抱えるものや見据えるものをしっかり描いたことで、よりストーリーに見入ることができたと思う。本筋はもちろんのこと、百合的な側面で話を見るのもまた一興だった。個人的には高津学長と皐月夜見ちゃんの歪な関係が一番好き。1話時点では今期最も先行きが不安だった本作だが終わってみればこの満足度。2クール目も期待。‬

 

三ツ星カラーズ

今期アニメを支えていたのは本作の安定感と安心感といっても過言ではない。当初はロリコン向けアニメだと思っていたが、作品の長閑な雰囲気や切れ味の鋭いギャグなどに心掴まれ、そしてやはりカラーズ3人の可愛さに虜にされてしまった。泣き虫で不憫でときに鬼畜なリーダー結衣、頭が切れるけどゲームはめっちゃ弱い琴葉、一話に一回はう◯こ言わないと気が済まない天真爛漫さっちゃんという3人の可愛さもさることながら、オヤジや斎藤やののかなどのサブキャラ達も魅力的で、子供たちの「楽しい」を大人たちが演出する作品の雰囲気が大好きだった。街並みのリアルな背景作画やキャラクターたちのスムーズな会話が作品内の現実感を生んでおり、そういった要素が「何処にでも居そうな小学生たちのごく平凡な日常」として描けていた要因だと思う。終わってみれば今期で最も喪失感を感じるほど好きな作品だった。おつカラーズ☆‬

 

 

技能賞
『‪刻刻

時間停止を題材にした新鮮な世界観と宗教が絡んだきな臭い雰囲気が異様なオーラを放った、今期でも異質な作品だったけど、登場人物と視聴者が同時に世界観の真髄に迫っていくようなストーリーで面白かったし見やすかった。退廃的でバラバラだった佑河家が一つになり、人間であることを辞めた佐河が一から生まれ変わって佑河家の一員になるなど、終始「家族」の物語として一貫しつつ「再生」の物語としての側面もあり、不気味な世界観とは対照的なハートフルな要素も印象深い。中盤は少し盛り上がりに欠けて地味な展開が続いたが、終盤にかけては(主に佐河が人間辞めてからは)圧倒的な面白さだった。また、時間停止を上手く活用した細かい演出や常に驚きを与えてくれる世界観、予測不可能で釘付けになるストーリーなど、視聴者を飽きさせない技術も光った印象。‬

 

 

敢闘賞(4作品)
『‪ラーメン大好き小泉さん

自分がラーメン好きというのもあってか終始好感度の高かった作品。当たり前ながらラーメン紹介して食べるだけで日常系として成立させてたのが良かったし、トッピングとしての百合要素がいい味出したコメディとしてもまた一興だった。正直なところラーメンの作画自体はそんなに美味しそうに見えなかったが、出てきた店をチェックして食べに行くこともしばしばあったぐらいには惹きつけられるものが確かにあった。個人的には豚野郎と背脂の回が好き。‬


『‪スロウスタート

序盤は少しふわふわし過ぎて掴み所のない日常系だなという印象だったけど、中盤以降で作品の良さに気づいてからは好感度が右肩上がりになった。世間から後ろめたい立場にいる登場人物たちを肯定して「焦らず歩いていく」という物語のメッセージ性には特に惹かれ、花名が遠回りしたからこそ出会えた友人たちと小さな幸せを育んでいくハートフルなストーリーは沁みるものがあった。時系列的には3,4ヶ月しか経ってないスロウな進行や無駄にヌルヌル動かす作画などが本作の特徴だった印象。一番印象に残っているのはなんといっても7話の栄依子回で、あの回は見終わった瞬間から今期のエピソード10選入り確定だった。


『‪3月のライオン(2期2クール目)

シリーズ4クール目までくればもう作品に対する絶対的な安心感さえ芽生えてくる。島田八段vs柳原棋匠の対局は、絵面的には地味ながらも静かに燃え滾る熱さで見応えあったし、2期の主人公と言っても過言ではなかったひなたの笑顔が最後に見られたのも本当に良かった。特にいじめ問題に関しては、長期に渡ってしぶとく丁寧に描いたからこそ、光が差し込んだときのカタルシスが非常に心地よいものがあった。零にスポットが当たる時間がやや少なかった分、彼の成長を俯瞰的に描いた最終回はシリーズの集大成としてお見事。いじめを受けたちほちゃんは傷がまだ癒えてなかったり、いじめ当事者のめぐみは最後まで更生しなかったり、幸田家は相変わらず廃れてたりなど、時系列的に春が来たからといって誰しもがハッピーエンドじゃないところに本作のエモさを感じる。ひなたの高校編も見たいので3期も是非期待。‬

 

だがしかし2

尺を1期の半分にしたのは大成功で、間延びしない程よいテンポ感が本作にバッチリハマっていた印象。そして失って初めて気づくほたるさんの偉大さ、可愛さ。メインヒロインを一旦退場させるその大胆な采配のおかげで、ほたるさんを今まで以上に好きになれたという点では大いに評価したい。それだけに年増のメガネにほたるさんの代わりが務まる訳ねぇだろという不安も少しあったが、その天然なキャラクターと隙が多めのお色気枠として"メインヒロインの穴埋め"という大仕事をこなして見せた。だがしかし!やはりほたるさんが最後は圧倒的メインヒロインだった。あと何気にEDが乙女新党っぽくて好き。

 

 

殊勲賞
メルヘン・メドヘン

意外な形で今期の話題作に成り上がった作品。典型的な「やりたいことに作画と演出が追いついてない」という感じだったが、王道でベタな展開を飾らずやってる感じは好感持てたし、原書を改変して「自分の物語」にしてしまう葉月の成長譚は痛快でかなり好きだった。個人的に5話は今期全体の中でも上位に入ってくるエピソード。中盤からクオリティがどんどん下がっていくことに心配していたが、直近の10話を見て「この作品を最後まで信じよう」って改めて思った。某自転車アニメで最終回まで2ヶ月待たされた経験があるので、終よければ全て良しの精神で最後まで気長に見届けようと思う。‬

 

 

【選外】(6作品)
『‪ダーリン・イン・ザ・フランキス

ヒロとゼロツーによる王道のボーイミーツガールとして、無垢な少年少女たちの恋愛感情を描いた群像劇として、TRIGGERらしい大迫力の作画を擁したロボファンタジーとして文句なしの面白さがあり、日常シーンなんかも楽しめたが、総合的には当初の期待値より低い評価になった。今期でも屈指のクオリティを誇る作品だったのには違いないが、個人的な琴線に触れるものは最後まで得られたなかったというのが率直な感想。世間の評価と自分の評価がズレてると余計に作品から遠ざかってしまうという自分自身の悪い癖が出て、後半はほぼ流し見状態だったのも要因の一つ。もう少し真剣に向き合うべきだった。自分的にはもしかすると『ナイツ&マジック』ぐらいテキパキ話が進まないとロボアニメは好きになれないのかもしれない。2クール目は一旦保留。‬


『‪デスマーチからはじまる異世界狂想曲

今期で最も「一応見てた」感が強かったけど、難なく完走できたあたり惹かれるものは少なからずあったんだと思う。ストーリーは新鮮味を感じさせるというよりテンプレから派生していく感じだったが、飯テロ要素が多かったりなど日常描写はしっかりしており飽きることなく楽しめた。ゲーム画面のユニークな演出で、ありがちなストーリーを陳腐なものにさせない点も良かった。結局どっちがポチでどっちがタマか判別できないまま終わってしまったのが心残り。誰か一人でもお気に入りのヒロインがいればもっと高い評価を得られたはず。‬


『‪BEATLESS

「人間が人工知能を操るのか」「人工知能が人間を操るのか」という実際に有り得るかもしれない近未来の世界観、「魂がない」ことを前提としたヒロインとのボーイミーツガール等の要素に惹かれ、3話ぐらいまではまだ楽しめたが、それ以降は設定やストーリーを大体理解できずに流し見状態というのが本音。ただ毎週なんとなく面白いという感覚は得られるし何よりレイシアちゃんとユカちゃんが可愛いのでとりあえず2クール目も継続。‬


からかい上手の高木さん

高木さんをからかおうとする西片と、西片にカウンターを喰らわす高木さんというワンパターンに絞ったラブコメで、その初々しい関係性と高木さんの可愛さにニヤケない時間はひと時も存在しなかった。面白かったのは間違いないのだが、最後まで「10分アニメぐらいがちょうど良かったんじゃないか」という疑念は晴れなかった。EDのカバーは知ってる曲も多くて本作の楽しみの一つ。あと、またM・A・Oさんの声を判別できなかったな...


恋は雨上がりのように

序盤は最高の滑り出しで今期でも結構お気に入りだったが、徐々に情緒的な風味が強くなり、良くも悪くも雰囲気アニメだなという印象で毒にも薬にもならなかった。橘あきらちゃんと店長との初々しい関係性に絞ってた3話までは好きだっただけに、その後は「思ってたのとちょっと違う」感が否めなかった。雰囲気はとても良い作品だったので、シンプルに作風が自分に合わなかっただけだと思う。

 

たくのみ。

12分という尺が丁度いい塩梅の日常ほろ酔いコメディで面白く、女性陣は揃いも揃って可愛かった。登場するお酒が全部実名で登場するところが本作最大の強みだったように思えるが、それだけに自分が酒飲める年齢だったらもっと楽しめてたのかなという印象は否めない。言うてあと1年だが。就活や社会人の話が出るたびに「近い将来自分もああいうのやるんだよな...」などの余計な不安を駆られたので、本編とは直接関係ないもののその辺はマイナスポイント。駄菓子回でのだがしかしとのコラボはお見事だった。個人的には焼き魚の回が一番好き。

 

 

 【優勝(2作品)

キリングバイツ

今期最高のエンターテイメント。動物の特性が遺憾無く発揮されたブルート同士の肉弾戦は盛り上がり必至で、プレイヤー間の頭脳戦なども見応えはあったが、最大の魅力は何があろうとも全てが「牙の鋭い方が勝つ」に帰結するその痛快さだったに違いない。毎週その台詞が聞けるだけで圧倒的な満足感を得られたし、もちろん「オシエちゃんは獣人でもなんでもない!」も楽しみの一つだった。威勢のいいキャラに限って呆気なく散り、弱そうなキャラに限って時の運や意外性のある行動で難を逃れるなど、一つ一つの展開が期待通りかつ定石通りなところが作品の好感度を押し上げ、そしてただでさえ面白いストーリーをハイテンション実況(cv.赤崎千夏)とイケボナレーション(cv.諏訪部順一)がエンターテイメント的に盛り立てる"鬼に金棒"な布陣も良かった。これだけ視聴者を楽しませておきながら、今までは全部序章でここからが一番面白いと言わんばかりの締め方が憎い。適度なお色気やバイオレンス、ノリと勢いからくる作風の程よいB級感、欲しいところに欲しい展開が来る充足感が個人的に刺さり、久しぶりに「これぞ深夜アニメ」という感覚を味わえた気がする。牙の鋭い方が勝つ、それがキリングバイツだ!は早くも個人的年間流行語大賞にノミネート。‬


『‪citrus

間違いなく今期一番ハマった作品。柚子と芽衣の、姉妹百合だからこそ表現できる複雑ながらも美しい百合模様に毎週魅せられた。次々と現れる刺客(レズ)とバチバチの"戦争"を繰り広げるストーリーは高揚感を得られて見てて楽しかったし、最初は敵の立場だったキャラが終わってみれば仲間になって主人公たちを支える、少年漫画のような熱さが感じられる点も良かった。また、若干ケレン味の含んだドラマチックな展開もストーリーを盛り上げており、特に6話の父親の元へ向かうシーンや12話の柚子が芽衣を追いかけるシーンなんかはそれが顕著に現れていた印象。柚子を親身になっていつも支え続けたはるみん、なんやかんや2人の関係を見守ってる姫子、自分の気持ちを抑えて親友の背中を押したサラなど、藍原姉妹の関係を支えたサブキャラの活躍が本作の好感度を押し上げたのは言うまでもない。何より今期優勝ヒロイン谷口はるみさんを輩出した功績は讃えるべき。ストーリーを真面目に見ても良し、この世界線でしか味わえない百合ワールドをエンターテイメントとして見るも良しで、終わってみれば今期唯一の全話リアタイ視聴+原作全巻購入したほど大好きな作品となった。

 

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今期はここ1年で一番の豊作クールだったのではないだろうか。名実ともに覇権だった『宇宙よりも遠い場所』がクールを牽引し、今期最大のダークホースかつ人気作だった『刀使ノ巫女』や、京アニによる圧倒的なクオリティを擁した『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』などが全体の満足度を高めていたが、個人的には『ゆるキャン△』『三ツ星カラーズ』『スロウスタート 』『ラーメン大好き小泉さん』等の日常系の活躍が今期を豊作クールに押し上げた最大の要因だったように感じた。

もちろん、深夜アニメらしいエンターテイメントで楽しませてくれた『キリングバイツ』や、今期で唯一原作を買うほどハマった『citrus』という2つの優勝作品も冬アニメを語る上では絶対欠かせない。

刀使ノ巫女』『BEATLESS』『ダーリン・イン・ザ・フランキス』は来期に継続し、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も新作が決定しているので、これらの作品には2018年冬アニメのプライドを背負ってこれからも頑張ってもらいたい。

そして何より、『メルヘン・メドヘン』が終わるまでは2018年冬アニメの魂を持ち続けていたい。

2018冬アニメ・エピソード10選

私が今期で視聴した全17作品201エピソード(※)の中から、特に良かったと思うエピソードをランキング形式で発表していきたいと思う。

明確な評価基準はないが、純粋な面白さやインパクトの強さ、単純な好みなどを総合的に見た上で自分のさじ加減で選考している。

それでは早速10位から

(※)総集編及びショートアニメは除く。

 

 

10位 メルヘン・メドヘン 5話「さよなら、私の魔法」

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‪何かとネガティブな話題ばかり目につく本作だが、ストーリーに関しては結構好きなところはある。特に5話に関しては今期全体の中でも強い高揚感を得られた。魔法が解けたように現実逃避から目覚め、母の形見であるドレスだけを身に付けて「自分の物語」を作りに行く葉月の姿が、過去最高に主人公でありメインヒロインだったこのエピソード。本家シンデレラとは真逆で背中を押す優しい継母と頼れる姉、そして粋な計らいでヘクセンナハトに送り出す学園長に後押しされ、今まで逃げてばかりだった自分と決別した葉月の一連の成長潭は印象深く、常識や契約なんて知ったこっちゃねえと言わんばかりのシンデレラの改変っぷりは痛快だった。ただ、葉月はやはり妄想過多コミュ障ぼっち少女のときが一番可愛い。‬


9位 ゆるキャン△ 7話「湖畔の夜とキャンプの人々」

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‪本作最大の尊さを観測した、なでしことリンの2人による四尾連湖キャンプ回。タラ鍋に焼肉にジャンバラヤなど飯テロが破壊力抜群でキャンプ飯のロマンを感じたし、それらを美味しそうに食べるなでしこを見ているだけでこちらも幸せを感じた。お財布事情に敏感で料理上手ななでしこと、なでしこの屈託のない笑顔を見守るリンの関係性が完全に夫婦で、一緒のテントで朝を迎えるシーンは「尊い」以外の言葉が出てこない。また、こういうシーンでも露骨にベタベタしないのが良くて、お化けが怖くてリンと一緒に寝たかったなでしこが一度は拒まれるも、朝目覚めたら当のリンが同じテントで寝てて思わず「うへへ」ってなる、こういった飾らない百合が本作の魅力の一つだと感じた。本当に飯食って他愛もない話するだけの回だったが、「これぞゆるキャン△」という感じの満足感を得られた。‬


8位 宇宙よりも遠い場所 9話「南極恋物語(ブリザード編)」

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‪よりもい屈指の名言である「ざまぁみろ」のエピソード。本作は南極青春グラフィティと銘打って、主にキマリたち4人に焦点を当ててきたが、この回は乗組員の全員が主人公だったと言ってもいいのではないだろうか。馬鹿にされながらも氷を打ち砕くように何度も挑戦を繰り返し、不可能を可能にしてきた先人たちから、形をそのままに受け継がれてきた意志が全員の「ざまぁみろ」に集約されていて爽快極まりなかった。報瀬の「馬鹿にする奴らを見返したい」という熱い意志は、ペンギン饅頭号の乗組員全員はもちろん、敗戦国として肩身の狭い立場に置かれた日本の意地を見せつけた当時の「同じ場所を目指した仲間」にまで遡れるという、壮大なストーリーと熱いメッセージ性も印象的だった。‬


7位 刀使ノ巫女 11話「月下の閃き」

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‪燕結芽ショックの当該回。恐らく現役刀使最強同士であろう、結芽と可奈美の直接対決が実現し、『S装備の稼働時間』と『生命的な活動時間』という互いに制限がかかっていた状態のなか、その短時間で互いを"相手"と認識して楽しみあった様子は「もっと見てたい」とさえ思うほど惹きつけられた。これが最初で最後になったとは...。自分の強さを焼き付けるため、自分のことを覚えててもらうために最後まで「自分の力」だけを証明し、病気という十字架を背負いながらも運命に抗い続け、最期まで強くあり続けたという結芽の生き様には心打たれた。舞衣を筆頭としたチームワークや親衛隊との熱い剣戟、高津学長のヒステリック劇場など本作の中でも一番見どころ満載の回だったと思う。‬


6位 citrus 6話「out of love」

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citrusは個人的に今期で最もハマった作品だが、その中でも中盤あたりが特に好きだった。父親の件を一人で抱え込む臆病な芽衣を、柚子が持ち前の行動力と姉としての思いやりで背中を押すストーリーも本作らしい熱さを感じられたし、それを少し大袈裟ながらもドラマチックに描いてたのが何より好印象。最高のアシストを決めたはるみん(ヒロイン10選の記事で詳しく記述)、自転車走行シーンなどのケレン味の効いた演出、ベタな物語を盛り立てる劇伴など、こういうストーリーの盛り上げ方が本作は秀逸だった。そして柚子が「姉としての責務」を果たした後に芽衣と交わしたキスが、姉妹以上の意味合いを持つようになったというのは"姉妹百合"でしか体現できない離れ業だと思った。‬


5位 スロウスタート 7話「ぐるぐるのてくび」

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‪正直なところ、このエピソードを見るまで本作に対する個人的評価は低かったが、この回から一気に好きになった。栄依子と榎並先生による、他の登場人物とは一線を画したアダルトな百合空間は眼福でしかなく、『生徒×教師』というただでさえ背徳的なシチュエーションが女同士で行われているその事実だけでも悶えざるを得なかった。拘束プレイなんてcitrusですらやってなかったぞ。普段は付け入る隙のない完璧な栄依子が、クールビューティな榎並先生の時だけ年相応の乙女な部分が現れるのも最高に可愛い。永遠とこの2人の掛け合いを見ていたくなるような幸福感を得られたし、本作における百合ポテンシャルを遺憾なく発揮した文句なしの神回だったと思う。‬


4位 宇宙よりも遠い場所 12話「宇宙よりも遠い場所

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‪思わずブログに考察記事を書いてしまったほど、一つ一つのシーンに深い意味が込められたエピソード。南極に初めて降り立った報瀬が最初に言い放った「ざまぁみろ」は爽快極まりなかったが、母親に会いにいくためにはるばるやって来たことを念頭に置くと、その台詞が最初に出てきたことには多少の違和感はあった。その違和感が解消されたという意味でも、そして脚本の狙いをしっかり理解できたという意味でもこの回は非常に印象深い。普通に報瀬が「南極に辿り着いた瞬間、母に対する想いが込み上げてきて母の死を実感した」という流れでもさほど違和感はなかっただろう。しかし本作の脚本の深さというのは目を見張るものがあり、報瀬を「母と同じ場所に行くこと」だけで満足させず、「母がここに居た証を見つけ、ここに居ないことを実感すること」で初めて報瀬の夢を醒まさせたことに、そしてそのストーリーの深さに思わず感嘆のため息が漏れた。細かい内容は考察記事でも触れているので割愛するが、このエピソードはとにかく深くて、初見時は報瀬の心境を全て理解できなかった。そこで彼女の心境に寄り添うべく筆をとったことで個人的にこの回は「神回」に成り上がった。‬


3位 宇宙よりも遠い場所 13話「きっとまた旅に出る」

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‪このエピソード単体でももちろん素晴らしかったが、1クールの物語の集大成として纏め方が完璧だったという意味合いが大きい。南極青春グラフィティの最後に相応しい爽やかな雰囲気で終始進められ、この湿っぽくない感じが、悩みや葛藤を解消しきった彼女たちの晴れやかな心境を体現してるようで良かった。この最終回で特筆すべき点は3つ。まず1つ目は、前回で母親の死を初めて受け入れた報瀬について。野球シーンでの母の姿を彷彿とさせる特大ホームランをかっ飛ばすシーンや、母と同じ長さに髪をバッサリ切るシーンは、彼女がかつて同じ場所に居た母としっかり向き合ったことが伺えたし、「大量の未読メールが入ったパソコン」と「母に会いに行くための100万円」を南極に置いてきたのは、彼女の強い"ケジメ"が感じられて良かった。そして母のパソコンから送信された、オーロラの写真が添付されたメールの「本物はこの一万倍綺麗だよ」に対する「知ってる」という台詞は、紛れもなく彼女が母に囚われることなく一歩踏み出したことの証だった。次に2つ目は、日本に帰国後の空港のシーンでキマリが言った「一緒に居られなくても一緒に居られる、だって私たちはもう私たちだもん」という台詞について。この哲学的な台詞の真意は"私たち"である彼女たち4人にしか分からないだろう。しかし、宇宙よりも遠い場所で絆を深めた「この4人」にとっては、別の場所で別の時間を過ごしていてもそれは「新たな旅の出発点にみんなで向かっている」ことに過ぎず、彼女たちの旅はこれからも続いていくから別れなんてない、という『ここから、ここから』の精神を感じさせて‬印象深かった。‪そして3つ目、なんと言ってもめぐっちゃん大サプライズである。自分のことを差し置いて一歩踏み出したキマリに対する嫌悪感、何よりそんな自分に対する嫌悪感から絶交まで申し出たあのめぐっちゃんが、キマリの居ない世界に一人取り残されたのかと思わせておいて、キマリの居ない世界に一人で「一歩踏み出してた」というオチが最高すぎた。しかも「キマリから一番遠い場所」である北極を選択するあたりが、彼女のいい意味での性格の悪さと対抗心が感じられて好き‬だった。物語の集大成としてこれ以上ない素晴らしいエピソードで、爽やかな雰囲気を醸しつつも涙が止まらないミスマッチな感覚がとても心地良かった。


2位 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 10話「愛する人はずっと見守っている」

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‪挿話のクオリティが高い本作の中でも、このエピソードは群を抜いて心に響くものがあった。こういう「未来から手紙が届く系」のエピソードは『四月は君の嘘』などを経験してるだけあってか絶対泣いてしまう。言動は普段通り淡々としつつも、アンから母親との残された貴重な時間を奪ってしまう罪悪感に駆られ、込み上げてくる感情を堪えていたヴァイオレットが、最後に流した涙は非常に感慨深いものがあった。この前の話数で少佐の死を初めて受け入れたからこそ、今回のテーマである「愛する人はずっと見守っている」というメッセージは胸を打つものがあり、同じく前回の話数で「届かなくてもいい手紙なんてない」ことを身に染みたからこそ、母親の"遺したい想い"の強さをより感じられて切なくなった。残された時間の中で娘に伝えきれない想い、そして50年後まで娘に伝えたい想いを手紙に乗せて未来から送るという、母親の粋な行動には心打たれたし、これを「見守っている」と表現するのがなんとも素敵。最初から結末が確定していたド直球感動エピソードでありながら、「母との別れ」「亡き母からの手紙」「ヴァイオレットの涙」という泣きどころ三段構え構成、アンと母親の儚くも美しい親子愛、京アニの見せ方の巧さなども相俟ってめっちゃ泣いてしまった。‬


1位 宇宙よりも遠い場所 11話「ドラム缶でぶっ飛ばせ!」

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‪よりもいは全話素晴らしかったが、個人的に一番刺さったのは間違いなくこの回だった。日向が「悪い意味での起用さ」で今まで心の内に閉じ込めてきた葛藤を、報瀬が「良い意味での不器用さ」で強引に引っ張り出してぶっ飛ばす、という流れがとにかく最高なエピソード。日向の南極に行くという決断は、傍から見れば「辛い過去から逃げた」ともとれるが、それを「前向きな一歩を踏み出した」という確固たるものにしたという意味でも、報瀬が日向の元友人たちにぶつけた言葉は重く、日向の心に大きく響いたんだと思う。6話のパスポート紛失回でも、報瀬が日向を救うという似たような構図が展開され、この時は「迷惑をかけたくない」「空気を読む」という日向のネガティブな友達観を変えたが、日向自身は報瀬の情の厚さに感極まったものの泣くまでには至らなかった。しかし今回は日向の友達観が歪むきっかけだった、普段の笑顔の裏に隠されていた過去の闇からも救ったことで流石の日向も泣かずにはいられず、見ている私も号泣せざるを得なかった。第1話冒頭のモノローグで「淀んだ水が溜まっている。それが一気に流れていくのが好きだった。淀みの中で蓄えた力が爆発して、全てが動き出す────」というキマリの台詞があるが、まさに日向の涙はこれを象徴していたのではないだろうか。日向が心の内で溜めていた葛藤を解放し、その溢れ出た涙とともに一気に心が浄化されていく様子は今期最大のカタルシスを感じられた。日向の葛藤を「過去のトラウマ」という概念だけで済まさず、しっかりと最後まで向き合った脚本も素晴らしく、何より加害者側となあなあで和解したりなんかせずに「ざけんなよ」の一言でスパッと関係を断ち切ったことに関しては本当に天晴れ。こういう他のアニメでは絶対味わえないような爽快感こそ、よりもいの真骨頂だと感じた。今回のエピソードのメインはあくまでも報瀬と日向だが、察しは悪いけど大事なところで熱くなれるキマリ、察しは良いけどあえて一歩引ける結月の活躍もあり、最終的に「一緒に一歩を踏み出した仲間である"この4人"の友情」として描いてたのがとても良かった。‬

 

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というわけで2018年冬アニメ・エピソード部門第1位は、宇宙よりも遠い場所 11話「ドラム缶でかっ飛ばせ!」という結果に。今期はとにかく『よりもい』が強かった。

また、今回惜しくもランクインはしなかったが、
ゆるキャン△ 12話「ふじさんとゆるキャンガール」
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 4話「君は道具でなく、その名が似合う人になるんだ」
宇宙よりも遠い場所 5話「Dear my friend
刀使ノ巫女 5話「山狩りの夜」
ラーメン大好き小泉さん 9話「山/豚野郎/背脂」

あたりも好きだった。

 

 

 

 

 

 

2018冬アニメ・OPED10選

個人的に好きだった2018年冬アニメのOP・EDをランキング形式で発表していきたいと思う。

評価基準としては「曲そのものの良さ」「映像のセンス」「曲と映像の親和性」などを総合的に見て判断している。

それでは早速10位から。

 

 

 

10位   スキノスキル/Wake Up,Girls!

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デスマーチからはじまる異世界狂想曲エンディングテーマ。ファンタジーな物語を日常視点で綴ったような、エンディングに相応しいしっとり癒しソング。サビの自然な転調はどことなくWUGらしさを感じられて好き。そういえばWUG新章の最終回まだ見てないや...

 

9位   Flashback/MIYAVI vs KenKen

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刻刻オープニングテーマ。本編の不気味な世界観を思わせる曲調と、ホラー染みた映像がマッチした、今期最オサレOP。自分では気付かなかったが、本編の話とリンクして色彩が変化するなど、映像にも拘りがあった。スタッフクレジットの主張が今どき珍しいほど激しいのも好き。中毒性の高い曲だったけど歌詞は大体聴き取れてない。

 

8位   The Girls Are Alright!/Saya

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宇宙よりも遠い場所オープニングテーマ。代わり映えのしない日常から新鮮な非日常に飛び出す、キマリたちの爽やかな青春が感じられる一曲。遊び心ある映像も好きで、サビの「きっと」のところでキマリがカッコつけるとこが特にお気に入り。初めて聴いたとき水瀬いのりさんが歌ってるのかと思った。

 

7位   Save you Save me/衛藤可奈美(cv.本渡楓)、十条姫和(cv.大西沙織)、柳瀬舞衣(cv.和氣あず未)、糸見沙耶香(cv.木野日菜)、益子薫(cv.松田利冴)、古波蔵エレン(cv.鈴木絵理)

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刀使ノ巫女オープニングテーマ。「全てを薙ぎ払えるように」「全てを守り抜けるように」「必然の運命」など可奈美と姫和の関係性のメタファーとも取れる歌詞が印象的。OP映像で可奈美の表情が常にイキイキしてるのも好き。親衛隊に負けてる場面があるけど本編では全く逆の構図なのも面白い。

 

6位   Dear Teardrop/Mia REGINA

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citrusエンディングテーマ。「瞳の奥が熱くなる」という独特な表現が印象的なラブバラード。その落ち着いたメロディと詩的な歌詞は、殺伐とした本編をロマンチックに感じさせる効果があった。サブロウタ先生の書き下ろし一枚絵の数々も素晴らしく、最後の柚子と芽衣が向かい合う絵は「尊い」以外の語彙が出てこないほど尊い

 

5位   FEELING AROUND/鈴木みのり

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ラーメン大好き小泉さんオープニングテーマ。全国のラーメン紹介映像のバックで流れるイントロの中毒性が特徴的で、今期で一番最初にハマった曲。今ではこの曲聞くたびにラーメン食べたい衝動に駆られる。既視感あるサウンドだと思ってたが『恋と嘘』OP曲の人が作詞作曲と知ってめっちゃ納得した。

 

4位   SHINY DAYS/亜咲花

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ゆるキャン△オープニングテーマ。旅に出かけるときのウキウキ感や満点の星空を眺めたときの高揚感が感じられる、本編との相性抜群な一曲。一瞬しか映らない志摩リンのLINEのメッセージが、本編とリンクしてデレていくところは拘りと遊び心を感じられた。まさか飛ぶテントが伏線だったとは。

 

3位   気まぐれロマンティック/高木さん(cv.高橋李依)

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からかい上手の高木さん第1話&第2話エンディングテーマ。原曲がまず好きだったというのもあるが、高木さん(cv.高橋李依)のカバーがどストライクだった。退屈な日常から解き放ってくれる彼を密かに想う歌詞が本編と絶妙にマッチしつつ、その一方で高木さんは絶対に「ダーリン」呼ばわりしないだろっていうミスマッチが非常に好き。

 

2位   カラーズぱわーにおまかせろ!/カラーズ☆スラッシュ

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三ツ星カラーズオープニングテーマ。上野の平和を守るというコンセプトに則ったヒーローソング。元気がない大人の代わりに、元気な自分たちが上野の平和を守るべく躍動する、カラーズの意気込みが伺えるような頼もしいメッセージ性のある歌詞、そして日曜の夕暮れ時の情景が浮かぶような、どこか哀愁漂うサウンドがお気に入り。本編では貴重な髪下ろしさっちゃんが拝めるのもポイント高い。


1位   アザレア/nano.RIPE

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citrusオープニングテーマ。冒頭の激しいドラムと、ストリングスを駆使したサウンドが特徴的な、nano.RIPEでは珍しいラブソング。「許されたことなんてそう多くはないでしょう?」「道なき道を行こう 初めてを捧げよう」など結構ド直球な歌詞が印象的で、本作のスリリングで背徳的で甘酸っぱい世界観がうまく表現されていた。OP映像のセンスも良く、芽衣→柚子→芽衣の顔どアップのカメラワークには初見時、思わず「うぉぉ」と声が漏れた。はるみんとまつりが銃口を突きつけ合うシーン考えた人は天才。当初は止め絵だったカットがある時を境に動くなど、細かな変化が定期的に加えられるのも良かった。本編で芽衣が耳めっちゃ弱いことが発覚してからは「耳の奥 鼓膜をもっと震わせて」という歌詞はちょっと卑猥に聴こえがち。

 

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というわけで2018年冬アニメ・OPED部門はcitrus OP『アザレア』が1位を獲得する結果に。
また、今回惜しくもランクインはしなかったが、
・ノスタルジックレインフォール/CHiCO with HoneyWorks恋は雨上がりのように OP)
・わたしのための物語 ~My Uncomplicated Story~/fhánaメルヘン・メドヘン OP)
・PRIMALove/ClariSBEATLESS ED)
・LOVE MEN HOLIC/西沢幸奏ラーメン大好き小泉さん ED)
・言わないけどね。/大原ゆい子からかい上手の高木さん OP)
あたりも好きだった。

2018冬アニメ・ヒロイン10選

個人的に好きだった2018年冬アニメのヒロインをランキング形式で発表していきたいと思う。
前期は自分の萌豚ハートに突き刺さるようなヒロインが少なく6人のみの選出となってしまったが、今期はヒロイン視点でも充実していたクールで、しっかり10人選ぶことができた。
それでは早速10位から。

 


10位 燕結芽(刀使ノ巫女

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‪燕結芽ショックから未だに立ち直れない視聴者を散見するが、私もまたその一人だ。親衛隊の中では最年少でありながら一番の実力者であり、その突拍子のない振る舞いや狂気じみた言動から当初は「折神紫の最終兵器」という印象だった。しかし11話で彼女の行動原理が明かされ、自分の強さを焼き付けるため、自分のことを覚えててもらうために最後まで「自分の力」だけを証明し、十字架を背負いながらも運命に抗い続け、最期まで強くあり続けたその生き様には心打たれた。可奈美との直接対決は決着つかずだったが、S装備もノロもなく生身の身体で可奈美と同等の力を発揮していた辺り、現役刀使最強レベルの強さだったに違いない。また、登場人物の中でも最年少だったため、可奈美たちを「お姉さん」と呼ぶところなんかも可愛かった。2クール目でひょいって出てこないかな...‬

 

9位 小淵沢報瀬(宇宙よりも遠い場所

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‪黙っていればクールで冷徹で知的なイメージだが、喋ればひたすらポンコツなところが好き。人一倍南極に賭ける想いは強く、彼女の行動力なしでは南極青春グラフィティが始まることもなかった。例え自分の夢が馬鹿にされても決して折れず、自らの信念を押し通せる強さの持ち主で、その反面意地っ張りなところもあったが、ときにその不器用な性格で悩める友人を強引に良い方向へ導くなど親友キャラの鑑でもあった。今まで馬鹿にしてきた奴らへの「ざまぁみろ」、日向の元友人たちへの「ざけんな」など印象的な台詞も多い。‬

 

8位 三門陽湖(キリングバイツ

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‪今期屈指の顔芸ヒロイン。お嬢様としてのプライドが非常に高いためか凡人である野本を非常に敵視しており、怒りのあまりせっかくの美人が台無しになってしまうところが可愛かった。祖父を救うという目標を掲げ、人一倍キリングバイツに賭ける想いが強く、ときに頭の切れる采配でプレイヤーとしての優秀さを見せるなど、単なる噛ませではないのも良かった。最終話でストーリー的に用済みになった瞬間性奴隷に堕ち、この作品らしいお色気要員としての責務も果たすという大盤振る舞い。獣人も令嬢も関係ねぇ、エロい身体してたら脱ぐ。それがキリングバイツだ!‬

 

7位 皐月夜見(刀使ノ巫女

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‪ヒステリックおばさんへの忠誠心がヤバいリスカ美少女。スポットが当てられたシーンこそ少なかったものの、人体実験のごとくボロボロにされても自分の身体を差し出そうとする健気な姿勢、そして暴力的な酷い仕打ちを受けても最後まで高津学長の側に居続けた高い忠誠心に"萌え"を感じざるを得なかった。このままだとドM説も否定できないので2クール目では高津学長との関係性をもっと明かして欲しいところ。脚本家曰く「隠れ巨乳」らしい。隠れてるか?

 

6位 琴葉(三ツ星カラーズ

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‪個人的に小学生キャラを好きになることはあまりないが、彼女のように落ち着いた性格の子は好きになる傾向にある。言動やファッションセンスなどは少し大人びており、推理パートでは百発百中で解決に導くなど頭がとても切れるが、ゲームは下手。四六時中ゲーム弄ってるくせにマジで下手。その弱点を天然鬼畜モードの結衣に抉られるととことん怯むところが最高に可愛い。アポロを上と下で別々に食べただけでドヤ顔するシーンも何気に好き。人の顔を踏んづけたりなどやや暴力的な一面もあり、その点でも個人的な好感度は高かった。何が言いたいかというと琴葉に生足で顔踏まれたい(突然の性癖暴露)‬

 

5位 各務原なでしこ(ゆるキャン△

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「‪花守ゆみりアニメにハズレなしの法則」及び「花守ゆみりキャラがろくな初登場の仕方しないアニメは名作の法則」は今期でも適用された。食欲旺盛で元気いっぱいな様子が非常に愛らしく、彼女が何か食べてるところを見てるだけでこちらも幸せに感じるほどだった。いっぱい食べる君が好き。また、お財布事情に敏感で料理上手など家庭的な一面もポイント高い。その元気印のような振る舞いから天真爛漫な性格に見えがちだが、程よい距離感を保ちつつ相手のことを考えられるしっかりした人間性の持ち主で、リンと野クル組の架け橋となったという点で彼女の存在はとても大きかった。リンとの関係性は非常に尊いものがあり、7話で一緒のテントで朝を迎えるシーンは今期最高水準の尊さを観測。‬

 

4位 桃木野姫子(citrus

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‪個人的に今期の流行語の一つだった「一線を越える」を最初に言った張本人。5話冒頭の柚子との「私と会長は一線を越えた仲ですのよ」「じゃあ私も一線越えてやんよ」のくだりは本作屈指の名シーンだと思う。当初は単なる噛ませキャラかと思っていたが、柚子から芽衣を奪い返すために一線を越える(笑)など、肉食系拗らせレズな側面を披露してきたのは印象深かったし、この辺りからストーリーも面白くなった。なんやかんや柚子を心配したり、芽衣と柚子の関係を見守ってくれる優しさの持ち主で、理想的な負けヒロインになってからは好感度が急上昇した。今でははるみんやサラと纏めて『citrus三大良心』と勝手に呼んでいる。‬

 

3位 大澤悠(ラーメン大好き小泉さん

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‪今期最初に萌豚ハートを刺激された女の子。明るい性格とボーイッシュな見た目を兼ね備えた美少女で、料理上手という家庭的な一面があったり家に居る時は兄想いの出来た妹って感じの振る舞いだったりなど、普通にしてれば非の打ち所がない魅力的なキャラクター。なのだが、小泉さんのことになった瞬間にたかが外れてしまうその残念さが堪らなく好き。小泉さん愛は常軌を逸しており、当初は軽いストーカー行為でまだ微笑ましいものがあったが、気づいた頃にはもう手を付けられないほどヤンデレ化してて、それもまた一興な魅力があった。ラーメン要素より時に目立つほど味付けの濃いキャラクターだったが、百合というトッピングとしては抜群の存在感で、本作をコメディとしてみるには彼女の存在は欠かせなかった。個人的に好きなタイプのcv.佐倉綾音だったのも大きい。‬

 

2位 志摩リン(ゆるキャン△

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‪スズキに侵されてない方のバイク乗りリンちゃん。一人の時間が好きな(見解の相違です一人だけどボッチじゃない)私にとっては親近感を覚えるキャラクターで、きららアニメでは珍しいほど「一人の時間」が徹底して尊重されており、そういう意味でも終始好感度が高かった。ライブカメラに手を振ったりわざわざ原付走らせて夜景撮りに行ったりなど、内向的な性格とは反して粋な行動するところも印象深い。5人の中では一番キャンプ慣れしているが、百戦錬磨という訳ではなく失敗することもあり(ほぼ毎回何かしらの失敗はしている)、等身大のキャンプ好きな女子高生として描かれていたのも彼女の好感度と人気を押し上げた要因だろう。なでしことの関係性は非常に尊いものがあり、なでしこの屈託のない笑顔を見守る様子は彼氏というか夫の域だった。本作で一番好きなエピソードもまた2人でキャンプした7話だった。あと随所に見られた、犬を見て「かわえぇ...」って言うシーンがとても好き。愛車のカタナ400でソロキャンプツーリングする回早く見たい。

 

1位 谷口はるみ(citrus

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‪こんなランキングを作っておいてなんだが、はるみんの今期優勝が確定するのには3話も要さなかった。もう第一印象から「これはガチ恋するな」という感覚さえあった。学校では地味なツインテおさげなのに私生活では羽目を外してギャルモード全開になるギャップがまず可愛く、そして家ではおばあちゃんっ子という点もポイント高かった。どんなときも柚子に対して親身になって支えとなる姿は印象的で、情に厚い姉御肌タイプの親友ポジとしてとにかく完璧だった。常に芽衣のことしか考えず自分の相手をしない柚子に普通なら愛想つかしても仕方ないところだが、むしろ柚子の支えになろうと尽力していたのは恐らく、柚子がこのお嬢様学校の中で馬が合う唯一の存在であり、柚子に友情の全てを全振りできることが主な要因だと考えている(単に性格が聖人すぎるというのもあるだろうが)。はるみんがいつも柚子を救っていることと表裏一体で、窮屈な学園生活を強いられていたはるみんにとっては、今はむしろ柚子の存在に救われているのかもしれない。つまり柚子とはるみんの関係は、柚子が一方的にはるみんに救われているようで、はるみんもまた柚子に救われている部分はあったのだと思う。はるみんは登場するシーン全てが印象的だが、個人的に大好きな場面は3つある。1つ目は5話、柚子と姫子が学食で一緒に居たところに合流するシーン。学内では常に柚子と行動していたためあまり意識しなかったが、このシーンで柚子が居ないとはるみんがぼっちだという事実を改めて認識した。柚子を発見した際に「あっ、柚子っち〜」とあっけらかんな態度しておいて内心めっちゃ嬉しかったんだろうなと想像するだけで、そして柚子が転校して来る前は教室で一人サンドイッチでも食べてたのかなと妄想するだけで激萌え。2つ目は6話、この回が恐らくはるみん最大の見せ場だった。まず芽衣と父親のことで悩む柚子に対し、頭を撫でつつ慰めるシーンでは自分のことを「はるみママ」って言っちゃうところが可愛く、彼女に安心して母性を感じていいんだと心なしか安心した。自分の姉御肌というかママ気質な性格を理解しているからこそ、率先して柚子の支えになろうとしているんだと感じさせる。そして柚子が芽衣を捕まえて父親の元へ向かうシーンでは、何も教えてないにも関わらず何かを察して柚子を自分の自転車の後ろに乗せ、雨で滑りやすい路面を全速力で二人乗り走行する漢気を披露。極め付けは柚子に自転車を託し「後は任せたぜ」と言わんばかりの表情で送り出す、考えられるうえで最高の形でのアシストを決めた。この一連の流れは本作の中でも三本の指に入る名シーンだったに違いない。そして3つ目は9話、芽衣のことで悩んで完全に上の空になってる柚子を背後からカバンで引っ叩くシーン。‬前日柚子に置いて帰られたのを怒る→柚子の表情でいろいろ察する→柚子の悩みを親身になって聞く→さりげなく解決案を用意する→後は任せたとばかりに颯爽と去っていく、という一連の流れをなんとわずか48秒でこなしてしまったのだ。主人公たちの関係を割り込まない程度に支えつつ、その少ない持ち時間の中で限りなく株を上げてくる、はるみんというキャラクターを象徴していたシーンだった。正直このcitrusという作品をここまで愛することが出来たのは彼女の存在があったからであり、‪『はるみんの好感度=本作の好感度』と言っても過言ではなかった。原作ではアニメにはなかったまつりとの絡みもあるらしく、更にはるみんのお姉さんも登場するようなので、はるみんファンとしては買わない理由はないだろう。はるみんという大聖母を生み出したサブロウタ先生、はるみんに命を吹き込んだ藤井ゆきよさん、そして久しぶりにガチ中のガチな方のガチ恋をさせてくれた谷口はるみさんに圧倒的感謝......‬

 

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というわけで2018年冬アニメはcitrusより谷口はるみさんが優勝ヒロインの座に輝いた。作品別にみると『citrus』『ゆるキャン△』『刀使ノ巫女』あたりが強かったように思える。

また、今回惜しくもランクインはしなかったが、
・小泉さん(ラーメン大好き小泉さん
・衛藤可奈美(刀使ノ巫女
・十倉栄依子(スロウスタート
・藍原柚子(citrus
・レイシア(BEATLESS
・遠藤ユカ(BEATLESS
あたりも好感度の高いヒロインだった。
来期は谷口はるみさんを越えるヒロインが果たして現れるのか、心を豚にして待ちたいと思う。