Kind's room

アニメの感想、考察など。

『虹ヶ咲』11話を見たあとでいろいろ考える

年間最強レベルのすごい回がきた。深夜アニメでこんなにドキドキしたのはいつ以来だろうか。

上原歩夢がいろんな感情を曝け出した『虹ヶ咲』11話だったが、それを踏まえるといろいろ深掘りしてみたくなった。

なお、個人的に女が女に向ける歪んだ愛情とかそういうのが大好きなオタクなので、あくまでもめんどくさいオタクのめんどくさい妄想として読み流してくれたら幸いである。これが今週の感想がわり。

 

  • そもそもなぜ歩夢はスクールアイドルを志したのか

そもそも歩夢がスクールアイドルを始めたのは、せつ菜のライブを見たことにより、自分の気持ちをまっすぐに伝えられるスクールアイドルに魅せられたから、大好きなものを表現したい気持ちが募ったから、要はシンプルに「スクールアイドルをやってみたい!」と思ったから、だと思っていた。

実際、歩夢はせつ菜のライブに感化されており、3話でも「せつ菜ちゃんは私たちに夢をくれた人だもんね」「私も一緒に(せつ菜と同好会を)やりたい」と言っている。前提として、せつ菜を尊敬し、せつ菜の影響でスクールアイドルを志したのは間違いない。でも、あの11話を見たあとだと、本当にそれだけだったのか...?と考えてしまう。

 

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1話でせつ菜のライブを初めて見て、これまでにないトキメキを感じた侑は、この日を境にスクールアイドル沼にハマった。そこでサインを貰いに行こうと同好会の部室へ向かったが、せつ菜そっくりの生徒会長から「同好会の廃部」ならびに「せつ菜の引退」を知らされ、その後は肩を落としていた。

 

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侑「自分の夢はまだないけどさ、夢を追いかけてる人を応援できたら、私も何かが始まる。そんな気がしたんだけどな...」

そこで考えたのではないだろうか。私と侑ちゃんの二人で何かを始められたら、私が侑ちゃんだけのスクールアイドルになれたら、と。

何より、スクールアイドル優木せつ菜に傾いていた気持ちを、私にも、いやこれからは私にだけ向けて欲しいと考えたから。スクールアイドルだけが引き出せる「トキメいてる侑ちゃん」は、これからは私だけが見ていたいから。スクールアイドルになる決心は、こうして固まったのではないか。

 つまり、10話~11話にかけての「せつ菜ではなく私を見て欲しい」という強すぎる思いは、すでにこのとき(1話)から始まり、今までずっと続いてたのではないか。11話の「私だけの侑ちゃんでいて」という言葉は唐突でもなんでもなく、1話の「私の夢を一緒に見てくれる?」の時点でそう言ってたも同然だったのではないか。‬

 

  • なぜ歩夢は取り乱したのか

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「歩夢に伝えたかったのは、もっと先のこと」と侑が言い出した瞬間、その先を聞きたくないとたまらず押し倒してしまった歩夢。なぜそこまで取り乱したのか。

1話の「私の夢を一緒に見てくれる?」という問いに、侑は「もちろん、いつだって私は歩夢の隣にいるよ」と約束した。そのはずなのに、私の知らないところで何かをやろうとしている侑ちゃんが存在し、同時に何かをやろうとしている侑ちゃんを知っているせつ菜ちゃんが存在していた。これはもう友情ヨーソローとか嫉妬ファイヤ~とかそういうのでは片づけられない最悪の事態である。

先ほども書いたが、このシーンの「私だけの侑ちゃんでいて」という言葉は、唐突でもなんでもなく、1話の「私の夢を一緒に見てくれる?」の時点でそう言っていたも同然だった。ずっと隣にいて一緒に夢を見てくれるはずだったのに、私の知らないことをやろうとしている、隣ではなく先に行こうとしている事実に焦りを感じ、たまらず取り乱したのだろう。

こうやって振り返ると、やはり「私の夢を一緒に見てくれる?」の台詞の重みにマジで耐えられない。これからどんな気持ちでDream with You聴けばいい?

 

 

P.S.

これだけ書いておいて申し訳ないけど、個人的には"ゆうせつ"がアツいと思います。