Kind's room

アニメの感想、考察など。

2021秋アニメ・格付け&総括

今期は総括書き上げるの早い(当社比)。

今期の完走は『14』本。2021年ではこれでも最多の完走本数となった。

 

今回も評価はS+、S、A+、A、B、Cの六段階より。

S+:数年に一本レベル

S:年間トップクラス

A+:年間トップ10レベル

A:各クールの上位クラス

B:各クールの中位~下位

C:惰性で完走

 

それでは早速、2021秋アニメを振り返っていく。

 

 

 

 

S+(数年に一本レベル)

該当なし

 

 

S(年間トップクラス)

該当なし

 

 

A+(年間トップ10レベル)

『月とライカと吸血姫』

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吸血鬼を題材にした作品は数あれど、その特性や社会的な扱いに、ここまで真剣に向き合う作品は珍しいのではないか。

史実に基づいた重厚な世界観のなかでも、吸血鬼が宇宙へ行くというファンタジーを違和感なく成立させており、宇宙開発において本当にこういう時代があってもおかしくないと思わされた。

古典的ツンデレヒロインのイリナと、鈍感系主人公でありながら正義感と漢気に溢れるレフのラブロマンスとしても見応えがあり、引き離される運命だった二人が、最終的に人間と吸血鬼の共生の象徴になったのもロマンチックであった。特別な能力も権力もない普通の少年が、全人類の英雄となり世界を変えた(吸血鬼と人間が共生できる世の中にした)というのは、人類が宇宙へ行く以上に夢のある話だったと思う。

普通の少年が英雄になって世界を変えた物語として、あるいは1人の少女と夢を叶えた物語として、1クールの纏まり方がとても美しく、壮大で良質なボーイミーツガールだった。

 

『やくならマグカップも 二番窯』

いいアニメを見たあとの「いいアニメを見た…」感は今期一、いや今年一だった。

2期は登場人物の関係性や人間らしさの描きがよりディープになったのが印象的。特に祖父に認められないことに悩む十子先輩、偉大な母の重圧に苦しむ姫乃などはじっくり描かれていたし、十子先輩を覚醒に導いたのが姫乃だったことに三華が悔しさを覚えるシーンも2期を象徴していた。あとは直子の姫乃愛が明らかに大きくなってたのも嬉しかった。

母への贈り物ともいえる和食器で「どんなに遠くにいてもつながれる」を体現し、自分へのマグカップで姫乃の成長を表現した最終回は、思わず父・刻四郎に感情移入してしまうほど素晴らしく、2クールの集大成としても完璧だった。

「デンタルリムジン」は2021年個人的流行語大賞を受賞。

 

 

A(各クールの上位クラス)

『SELECTION PROJECT』

今期の真剣に見ていた枠。そして今年のアイプラ被害者の会その②。

アイドルアニメでオーディション、それもリアリティーショーという革新的な試みがまず面白く、求めすぎるとギスギスしがちなリアリティは程々に、あくまでも一つ屋根の下で切磋琢磨する同世代の女の子たちの(特にユニットごとの)絆に重きを置くのも良かった。

「アイドルオーディションアニメ」なのに自分たちで脱落者を決めると聞いたときはどうなるかと思ったが、オーディション番組に反旗を翻して自分たちで独立する「アイドルアニメ」としての展開は胸熱でワクワクした。最終的に番組に戻ることにはなるが、9人でのデビューという目的が果たせたことからも、独立展開も無駄にはなっていないのだろう。

あとは髪型や衣装、メイク等のバリュエーションの豊かさは目を見張るものがあり、女の子の可愛さを引き出すための工夫や努力は他のアイドルアニメよりも秀でていた。MVやダンスシーンのクオリティも総じて高く、特に『Naked Blue』は動画工房の本気を感じさせた。

 

異世界食堂2』

今流行りの「なんで今さらこれ2期やるの?」枠。でも終わってみれば今期で最も終わってほしくないアニメだった。

2期の特徴としては客同士のつながりだったと思う。ずっと一人(二人)の空間で黙々と食事だけに向き合っていた彼らが、次第にそれぞれが交流を持つようになり、最終的には『ねこや』がコミュニティとして一つになった瞬間は、1期から見てきた者としては感慨深いものがあった。

あと個人的には夜ご飯のときにアニメ視聴が最も捗るので、ご飯によく合うアニメとして本作が録画ラインナップの中で序列が高かったことも、終わった後の喪失感を助長させた。

 

『吸血鬼すぐ死ぬ』

ヒナイチちゃん目的で見ていたはずなのに、気づけばギャグセンスに馴染んで非常に楽しんでいた。特に11話のオチでチュパカブラが繁殖してたところは今年のアニメで一番笑ったかもしれない。

余談だが、関西では『月とライカと吸血姫』と連続で放送されており、向こうが吸血鬼への偏見を是正する作品であったのに対し、こちらは旧来の吸血鬼観を用いたドタバタコメディで、こういう一時間で異なる吸血鬼を楽しめる「吸血鬼アワー」が生まれたのも、深夜アニメをリアタイすることの恩恵だよなと思った。

 

『プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜』

初心者から始まるスポ根ものだったが、緩すぎずガチすぎない程よい温度感で描かれていたのが好印象。

梨子と尚実の回を筆頭に友情の描きは尊いものがあったし、優のチームワークの会得や尚美のディフェンスの上達など、各々の成長も丁寧に描かれていた。友情とスポ根がうまく噛み合っており「心の絆でパックをつなげっ!」という合言葉がこれ以上なくしっくりきた。もちろん試合の描写もクオリティが高く、アイスホッケーという競技の魅力もしっかり伝わった。

OPの「ファイオー・ファイト!」は後世に語り継がれるべき名曲。

 

『白い砂のアクアトープ』(2クール目)

お仕事アニメとして本領発揮した2クール目。くくるが病むあたりは見てて辛いものがあったが、労働というテーマへの真摯な向き合い方はこの作品らしくて良かった。

18話の朱里さん回や19話の風花回など、個々のエピソードで光るものはあったし、1クール目以上に見応えはあったと思う。ただ、2クール全体を振り返って見たときに、大きな盛り上がりみたいなのが乏しくて、「くくると風花の成長物語」以外に何も残らなかったという印象。少なくとも、PAのオリジナル2クール作品という大きな期待を超えるものではなかった。

 

 

B(各クールの中位~下位)

『86ーエイティシックスー』(2クール目)

正直申すとあまり真剣に見れてなかった。

言い訳するとレーナちゃんの出番がほぼないのでモチベーションを保つのが難しかった。22話以降に期待。

 

『takt op.Destiny』

オシャレでカッコいいアニメで面白かったが、一気見したのもあってかあまり響くものがなかった。

今どき珍しい(?)ビターエンドというのは余韻があって良かった。あとは運命ちゃんが萌えだった。

 

『見える子ちゃん』

お色気で攻める感じのアニメかと思えば、ミスリードを活かしてちょっといい話にもできたり、終盤はホラーに本気出してきたりと、変幻自在の魅せ方で楽しませてくれた。

 

『でーじミーツガール』

安野希世乃さんの沖縄方言が可愛かった。

 

『180秒で君の耳を幸せにできるか?』

できた。

 

 

C(惰性で完走)

『サクガン』

序盤はとても良かっただけに、その後伸び悩んだのが惜しいアニメだった。あとはコメディっぽいノリが自分と合わなかった。

デカダンスメイドインアビスといった名作と比較してしまった部分もある。

 

『しょうたいむ!〜歌のお姉さんだってしたい〜』

明らかに寝取ってきそうな男が普通にいい奴だったのは笑った。

 

 

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【S+】該当なし

【S】該当なし

【A+】月とライカ、やくも二番窯

【A】セレプロ、異世界食堂2、吸血鬼すぐ死ぬ、プラオレ、アクアトープ

【B】86、takt op.Destiny、見える子ちゃん、でーじミーツガール、180秒で〜 

【C】サクガン、しょうたいむ!

 

今期もS+およびS評価が生まれない厳し目の評価となった。熱を持って視聴できる作品がなかったのは残念だが、14本完走できている時点で総合的に優れたクールだったのは間違いない。

2021年アニメの全体的な総括。最終的な年間完走本数は『50』だった(冬13本、春12本、夏11本、秋14本)。昨年が『53』だったので少し減ってしまったが、アニメオタクを辞めないことを最低目標としていたので、この数字には満足している。もっとも、2021年は時間的にも精神的にもかなり余裕があったので、もっとアニメを見れたんじゃないかという反省もある。

なお、2021年の10選は以下の通り。

ワンダーエッグ・プライオリティ

ゆるキャン△ SEASON2

のんのんびより のんすとっぷ

スーパーカブ

・Vivy -Fluorite Eye's Song-

ラブライブ!スーパースター‼︎

・チート薬師のスローライフ

・月とライカと吸血姫

・SELECTION  PROJECT

・やくならマグカップ

なかでも『ワンダーエッグ・プライオリティ』『スーパーカブ』『ラブライブ!スーパースター‼︎』の3本は特にハマった作品だった。

 

2022年は、個人的にはいよいよ就職の年。社会人になってアニメを見なくなることだけは避けたいので、最低毎クール2,3本とかでもいいからアニメを見続けていたいね。