Kind's room

アニメの感想、考察など。

2020秋アニメ・格付け&総括

非日常が日常になってしまった世の中でも、アニメは変わらず我々の日常であり続けてくれた2020年。そんな今年の最後が豊作で嬉しかった2020秋アニメを格付け形式で振り返っていく。

今期は「16」本の完走。個人的には2020冬以来の15本超えだった。

格付けに関して。以前は金賞とか技能賞とか優勝とかやっていたが、今回からはレギュレーションを変更し、シンプルにアルファベット表記での格付け形式にする。そっちの方が書きやすいし分かりやすいことに今さら気づいた。ブログ開設4年目だぞ?

評価はS+、S、A+、A、B、Cの六段階より。

S+:数年に一本レベル

S:年間トップクラス

A+:年間トップ10レベル

A:各クールの上位クラス

B:各クールの中位~下位

C:惰性で完走

 

それでは早速、2020秋を格付け形式で振り返っていく。

 

 

 

 

S+(数年に一本レベル)

該当なし

 

S(年間トップクラス)

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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サンシャイン2期以降、個人的なラブライブ!シリーズに対する熱は冷めきっていて、今回の虹ヶ咲も全然期待してなかったのだが、蓋を開けてみれば2020年で一番ハマるアニメとなった。

特徴的だったのは、やはり「個」の尊重。持ってるポリシーが一人ひとりバラバラななかで、グループとして一つの色にまとまること、ラブライブ!に出場して勝つことを美徳とせず、一人ひとりが自分の好きなことを自由に追求していく思いきった方向性が良かった。こういった多様性を尊重する現代的な作風だったからこそ、今回のシリーズは人を選ばずに受け入れられてた印象。それでも「みんなバラバラだけど想いは一つ」なのも美しい。

また本作は、アイドルではない侑が主人公だったり、各メンバーとファンが一緒にステージを作り上げるなど、明確に「アイドルとファンの物語」としても描かれていた。最終話で9人で歌った『夢がここからはじまるよ』は、いつも応援してくれる"ファンのあなた"の夢を応援する9人からの贈り物であり、その"あなた"の象徴として「夢に踏み出した高咲侑」で物語を締めたのも素晴らしかった。

回を重ねていくごとに推し増しするほど登場人物をみんな好きになれたし、先日書いた2020秋アニメ・ヒロイン10選ではTOP10のうち6名を虹ヶ咲から選出した。やはり自分はラブライブ!との相性がいいらしい。

 

 

A+(年間トップ10レベル)

安達としまむら

個人的な今期の推しアニメ。安達の特定の人間関係に固執する感じも、しまむらの他者への関心が希薄な感じも絶妙に共感できたため、作品に深く入りこむことができた。

独独の比喩表現を用いたモノローグは少し難しかったが、それだけキャラクターの心情を繊細に丁寧に扱っているのが窺えたし、それを咀嚼して少しずつ理解を深めていく楽しみ方もできた。ブログも三本ばかり書いた。

最初は無慈悲なほど二人の関係に温度差があっただけに、しまむらが能動的に安達を「求めた」ラストには感動すら覚えた。二人の関係がどう進展していくかも気になるし今年中に原作も読みたい。

 

『アクダマドライブ』

第一印象としての「なんかヤバいアニメ始まったな」感が良かったし、最後まで常に新鮮な面白さを提供してくれた。

ストーリーの構造自体はわりとシンプルだったからこそ、予測不可能すぎるハチャメチャな展開、近未来のスタイリッシュな世界観、キャラが濃すぎる7人のアクダマたち等が存分に活かせていたように思う。これらがハイクオリティで描かれるんだから当然面白い。

「悪」vs.「正義」という構図で始まりながらも、最終的に世の中全員「アクダマ」の要素があるのだと知らしめるラストは痛快。オリジナルアニメとしてやりたいことを1クールで全部やりきった感が気持ちよかった。

 

無能なナナ

個人的には初回の叙述トリックとネクロマンサーちゃん回(6~7話)がピークだったとはいえ、終始見応えのある面白さだったのには変わりない。

ミステリとサスペンスによるワクワク感、特にナナ視点で追い詰められる緊張感が良かったし、主人公・ナナの心情の変化につれてまた違った面白さも生まれていた。

あまりにもあまりにもなラストだったので2期見たい。

 

 

A(各クールの上位クラス)

『魔女の旅々』

イレイナちゃんがとにかく可愛かった。それに尽きる。

キャラクター最重視な作風だったため、寓話として刺さる回は少なかったが、オチが重くて何とも言えない気持ちになった3話や、これまでの平和な回が嘘のように刺激的だった9話などは印象深い。

 

『アサルトリリィBOUQUET』

大勢の美少女、崇高な百合、精巧なメカニカル、迫力のアクションなど、オタクの好き要素をこれでもかと詰め込んだ作品。

常にカタカナ語が飛び交ってたり展開が唐突すぎたりで、設定とかストーリーがあまり理解できていなかったが、それでも最終的に愛と力技で全てを捻じ伏せられる感じが気持ちよかった。

夢結様がラムネ買いに行く回(5話)は今期屈指のエピソード。

 

魔王城でおやすみ

群雄割拠の秋アニメを支えていたのは間違いなく本作の抜群の安定感。

序盤は少し退屈に感じていたが、4話辺りからだんだんと面白さが分かってきた。徹頭徹尾「快眠」だけを追求してたのに、ネタ切れを全く感じさせなかったのもすごい。

その幼くて可愛い見た目とは裏腹に凶器と狂気で暴れまくったスヤリス姫と、魔族なのに優しすぎる魔王城のゆかいな仲間たちの日常は微笑ましく、最終話では人間と魔族の共存という深いテーマも感じられた。

 

『くまクマ熊ベアー』

のうきん,防振り,はめふらの系譜(主人公が男だったら絶対鼻につく展開も可愛い女の子だったらストレスフリーで見られる萌豚にやさしいアニメ枠)を見事に受け継いだ。

現実世界では一人だったユナが、異世界でのたくさんの出会いを通して「守りたいもの」が増えていく、そんなハートフルな作風が良かった。2期決定したときは苦笑いが出たけど、最終話のユナフィナの百合を見たらちょっと楽しみになってきた。

 

ご注文はうさぎですか?BLOOM』

ちょうど1期が放送してた時期(2014春クール)に自分が深夜アニメを見始めたこともあって、実はそれなりに思い入れのある作品。

実を言うと今期のはあまり真剣に見ていなかったが、文化祭回やハロウィン回などはめっちゃ良かった。ああいう話こそごちうさの真骨頂だと思う。

 

『D4DJ First Mix』

最終回後に追記

 

One Room サードシーズン』

新ヒロインの琴川晶ちゃんと織崎紗耶さんは大活躍だったし、桃原奈月ちゃんと七橋御乃梨ちゃんは貫禄の萌えを見せてくれた。

花坂結衣編は結婚から出産まで無慈悲に描いてくれたことで、彼女との幻想を抱いていた4年前の自分が完全に成仏できて清々しい気分になれた。なんやかんやでOne Roomのメインヒロインは花坂結衣しかおらんなとなった。末永くお幸せに。

 

 

B(各クールの中位~下位)

『まえせつ!』

駆け出しお笑い芸人たちの奮闘記として、特に相方を大事に想う友情モノとしては良かったと思う。面白さとしては本当にまえせつ!レベルだったけど。

R凸の漫才は普通に好きだった。

 

『神様になった日』

結末に納得はできたけど、全体を通して面白かったとか感動したみたいな印象は結局抱けなかった。期待値がデカすぎたのかもしれない。

あ、でも無限立直の回は面白かった。

 

『おちこぼれフルーツタルト』

 きらら原作の日常系アニメを邪な目で見てしまったとき、己の心の汚さが恥ずかしくなってくるのだが、本作は最初から何もかも汚れきっていたので、何も罪悪感を抱くことなく視聴できたのが良かった。ハナヤマタとは何だったのか。

 

 

C(惰性で完走)

『戦翼のシグルドリーヴァ』

 最後まで世界観にいまいち乗り切れなかった。

もっと真剣に見ていれば違った感想になったかもしれない。

 

『土下座で頼んでみた』

 倫理観がぶっ壊れてて最高だった。

 

 

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今期は誰もが認める豊作クールだったし、いろんな作品と網羅的に向き合いたかったが、結果として『虹ヶ咲』と『あだしま』に脳のリソースを費やしてしまったというのが個人的な感想。

それでも全体的に満足度は高かったし、特に土曜22時からの『ごちうさ』→『虹ヶ咲』→『計算中』→『シグルリ』→『神様になった日』のラインをリアタイする時間は毎週の楽しみとなっていた。

2020年アニメの全体的な総括。最終的な年間完走本数は『53』だった。去年は『36』という体たらくだったので、アニメオタクとしての熱を少し取り戻せたのが嬉しい。

個人的に2021年は就活本番イヤーなので(コンディション的に)どれくらいアニメを楽しめるのかは分からないが、アニメオタクを辞めないことを最低目標として生きていくぞ。

 

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