『虹ヶ咲』12話を見たあとでいろいろ考える
虹ヶ咲12話...........安心した。どう転んでも平和的解決なんて無理だろと思ってたけど、無事にそれぞれの夢へと歩みだせて良かった。なんか円満離婚みたいな感じになってたけど。
- 「侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい」一方で
今回、歩夢が前へ進めたのは、自分を"大好き"でいてくれるファンの気持ちに応えたいと思ったから、そんなファンのみんなのことが"大好き"な自分の気持ちに(せつ菜の後押しもあり)正直になれたから、といったところだろうか。
しかし、歩夢が密かに抱いていた「ファンのみんなが大好き」な思いと、そのうえで下した「みんなのために歌う」決断は、11話ラストの「侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい」とは矛盾していたことになる。
恐らく「侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい」思いと同じくらい、「自分を"大好き"でいてくれるファンのみんなが大好きで、そんなみんなの気持ちにも応えたい」思いも強くなっていたのだろう。
ただ、10話~11話における歩夢の取り乱し方を見る限りでは、歩夢の大好きな相手が侑だけではなくなり、歩夢の心が侑から離れていってる様子なんて微塵も感じ取れなかったのが率直な感想。
侑への思いの強さと、ファンへの思いの強さが、前回のインパクトもあって明らかに釣り合ってなかった気もするが.........それは上原歩夢のことをちゃんと理解できてなかったオタクが悪い!!!!!
- なぜ歩夢はせつ菜の言葉が響いたのか
侑への思いとファンのみんなへの思いで葛藤して最高に面倒くさい状態になってた歩夢。そんな彼女を救ったのが、せつ菜の「私も我慢しようとしてました、大好きな気持ち」「でも、結局やめられないんですよね」「始まったのなら、貫くのみです」のたった三つの言葉。
いつしか歩夢は、侑への"大好き"だけでなく、自分を応援してくれるファンへの"大好き"も我慢できなくなっていた。"大好き"が始まってしまったら、やめられない。始まったのなら、それを貫くのみ。
もしかすると歩夢は、スクールアイドルを始める際に侑に言った「動き始めたのなら、止めちゃいけない、我慢しちゃいけない...私、好きなの!」という、あのときの自分の言葉を思い出したのかもしれない。あのときは侑のためだけに始めた「スクールアイドル上原歩夢」も、今はファンのみんなのためにやっている。あのときは侑だけが大好きだったけど、今はファンのみんなのことも大好きになっている。
せつ菜の言葉を聞いて、自分のなかで始まっていた新たな"大好き"にも正直になろうと、そう思って走り出したのではないだろうか。
- 変わらぬ思い
「侑ちゃん...あのね、私」
「できたよ!歩夢のステージ!」
走ってきた歩夢の言葉を遮ってまで、侑が真っ先にステージの完成を見せたかったのは、それを作った(侑を含む)ファンのみんなの、歩夢に対する"大好き"を証明したかったではないだろうか。要は、歩夢はもう私と一緒じゃなくても前に進めるよ、と伝えたかったから。
それでも────
ローダンセの花言葉:「変わらぬ思い」
- Dream with YouからAwakening Promiseに
無事に和解した二人。「わがまま言ってる歩夢も可愛いよ」から侑の余裕が窺えるが、そのあとの「歩夢を最初っから可愛いって思ってたのは、私なんだからね」と言ったあたり、もしかすると歩夢の"大好き"が自分だけのものではなくなったことに、ちょっと妬いてるのかもしれない。いや妬いてて欲しい。
侑は他の女にも容易く「可愛い」を振り撒いて歩夢を散々焦らせてきたとはいえ、やはり侑のなかでも歩夢に対する「可愛い」は特別なんだなと感じられてめっちゃ良かった。ゆうぽむは正義。
「私ね、音楽やってみたいんだ」
「私は、みんなのために歌うよ」
「私が夢を見つけられたのは、歩夢のおかげだよ」
「私も侑ちゃんがいたから、スクールアイドルを始めることができたんだよ」
「侑ちゃん、今までありがとう」
「歩夢、今までありがとう」
...............別れ話かなんかですか???
別々の夢に向かうことを決めた二人。その決別のライブは、「高咲侑のためだけのスクールアイドル上原歩夢」が始まった場所というのが最高に憎い。
侑から受け取った「変わらぬ思い」を刺して、侑だけに捧げる最後の曲。
タイトルは『Awakening Promise』