Kind's room

アニメの感想、考察など。

2021春アニメ・格付け&総括

なんとか7月中に書き終えた。

別に今の今まで残りの春アニメを見てたからブログ更新が遅れたとかそういうわけではなく、シンプルに持ち前の先延ばし癖を発揮しただけである。暑いので何もやる気が出ないってのもある。 

今期の完走は「12」本。わりと何本も切ってしまったけど、時には切り捨てることも大切だとポンポさんに教わったのでプラスに捉えていく。

 

今回も評価はS+、S、A+、A、B、Cの六段階より。

S+:数年に一本レベル

S:年間トップクラス

A+:年間トップ10レベル

A:各クールの上位クラス

B:各クールの中位~下位

C:惰性で完走

 

それでは早速、2021春アニメを振り返っていく。

 

 

 

S+数年に一本レベル)

該当なし

 

 

S(年間トップクラス)

スーパーカブ

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ぼっちの女の子が何かとの出会いを通して成長していく物語、および何もない女の子の日常が乗り物で彩られていく物語が大好きなオタクなので、順当に今期で一番好きな作品となった。

ないないの女の子だった小熊の人間性を現す序盤のアンニュイな空気感にまず惹かれたし、カブとの出会いで鬱屈とした日常がだんだん晴れていき、笑顔が増えていく光景も大変尊かった。修学旅行先で無断でカブを乗り回したり、雪山で好き放題遊んだりと、小熊の性格がロックになっていく様も見てて楽しかった。

また「冬に殺される」「冬から逃げる」などの、文学的な言い回しもセンス抜群で好きだった。繊細な日常描写、綺麗な背景作画に加え、小熊の心境変化と同時に画面が色づく演出など、画作りでも印象的な場面が多く、隅々までハイクオリティなアニメだったと思う。

恐らく自分が10代の頃だったら、影響受けて今ごろ中古のカブを求めてただろう。かつては『ばくおん!!』を見て普通二輪免許を志していた時期もあったので...。

 

 

A+(年間トップ10レベル)

『Vivy -Fluorite Eye's Song-』

 今期一番"真剣"だったのはこっち。「心を込める」「AIを滅ぼす」「歌でみんなを幸せにする」といった、テーマや方向性がハッキリしていたため、話が難しくなりすぎず見やすかったと思う。

個人的な見解としては、「AIが戦争を起こす未来をAIが100年かけて阻止する物語」という方向性が完全なるミスリードで(なぜなら阻止できてないから)、本質的には最初から最後まで「ヴィヴィが心を込めて歌うための、歌うまでの物語」だった、全てはそのためにあった。そう考えると、自分のなかでこの作品に対しモヤモヤしていた部分にも折り合いがつけられ、落としどころにも満足できた。

1話と2話が抜群に面白くて、そこで期待値が跳ね上がったあまり、最終的には物足りなさを感じてしまったのも事実。ただ、オリジナルアニメ特有のワクワク感は最後まで尽きることはなかった。

 

 

A(各クールの上位クラス)

『86ーエイティシックスー』

とにかく救いのなさが徹底されていて、差別や隔絶の描きが見応えあった。荒廃した世界観やメカニック周りの設定などもオタク好み。

エピソードとしてはレーナちゃんがブチギレられる回とレーナちゃんがブチギレる回が好き。特に9話、それまで無垢で無知なお姫様だったレーナちゃんの、全てを知ったうえでの悪魔への変貌ぶりがゾクゾクしてめちゃくちゃ良かった。

2クール目も期待。 

 

『シャドーハウス』

挙げられる類似作品はなかなか存在しないのではないか。それぐらい独自の世界観を築いていた点がポイント高い。

おとぎ話のような空想的な世界観のようで、核心に迫るにつれて現実的な狂気と悪意が姿を現すギミックの面白さ、その種明かしのタイミングなども絶妙だった。

あとこの作品の魅力は何と言ってもエミリコの愛おしさ。いつでも強く明るくポジティブな彼女に画面越しに元気づけられていた。

 

『セブンナイツレボリューション -英雄の継承者-』

どうせスマホRPGの販促アニメだろと侮ってたけど結構楽しめた。

ネモとファリア会長のお互いを守り守られる関係、シャーリーとエレンの文字通りの"永遠"を誓い合った関係は特に美しかった。ストーリーとしては、もっと4話みたいな学園萌え萌えラブコメを見たかった気持ちもあるが...。

BS11で見てたので2話以降「壮大な冒険に期待しなさい!」が流れなかったのが心残り。

 

『やくならマグカップも』

最初はゆるい日常系だと思っていたが、陶芸に打ち込む少女たちの青春部活モノとしての熱さ、そして思わずウルっときてしまうような親子愛もあったりして、フリーペーパー原作とは思えないストーリーの厚みを感じられた。

2期が決まってるということはデンタルリムジン相当儲かってるんだろうな。

 

 

B(各クールの中位~下位)

『戦闘員、派遣します!』

このすばっぽいノリとけものみちっぽいメンツで安心と信頼の面白さ。中盤あたりからロゼがめちゃくちゃ愛おしくてたまらなかった。

真面目な話、カブの二人乗りより6号のちょんまげが放送に乗ることの方がよっぽど議論の余地があるだろ。 

 

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』

観測範囲内での盛り上がりは今期随一。ストーリーの特性上、いろいろ言いたくなってしまう作品ではあったが、気づけば毎週欠かさずリアタイしていたのでそれなりに楽しめてたんだと思う。

『おもいでしりとり』は文句なしの今期ベストソング。

 

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』

 これぞ異世界スローライフとばかりにノンストレスで見られたけど、あまり印象に残る話もなかったのが正直なところ。

でも、生まれも育ちも種族もバラバラな登場人物たちが疑似的な家族になっていく光景は温かかったし、健康で文化的な最低限度の生活を営むことの尊さを改めて教えてくれた。

 

 

C(惰性で完走)

さよなら私のクラマー

すこぶるテンポが悪かった。

 

聖女の魔力は万能です

女の子は総じて可愛かったが、ストーリーは毒にも薬にもならなかった感。

 

『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』

 徹頭徹尾しょーもなかったのだが、しょーもなさを最後まで一貫してた点は評価できる。

 

 

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本当だったら20本近く見る予定だったけど、完走までたどり着いたのがわずか12本という圧倒的なアニメ筋の衰え。